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最新戦術でも交代策でもなく…「監督は僕たちの誰よりも上手い」シャビ・アロンソ42歳“新名将の5要素”「私の仕事はまだ終わってない」
posted2024/05/27 11:11
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Taisei Iwamoto
創設120年目にして、念願のブンデスリーガ初優勝を飾ったレバークーゼン。有名なクラブであるにもかかわらず、過去のシーズンで獲得したタイトルはドイツ杯とUEFAカップをそれぞれ1回ずつ。2001-02シーズンにはブンデスリーガ、ポカール、CLの全てで準優勝に終わったこともあり、国内外で「Neverクーゼン」と揶揄されていた。「永遠に(Never)リーグタイトルを取れない」という皮肉だ。
ちなみにイギリスのブックメイカーのBettingOdds社は、今シーズンのレバークーゼンが参加する3つの大会の優勝倍率を以下のように設定していた。
EL:20倍
ドイツ杯:16倍
ブンデスリーガ:50倍
クラブ史を踏まえても、リーグタイトル獲得がもっとも困難だろうと予想されていたわけだ。
シャビ・アロンソが新時代の名将たる5つの要素
しかし、目利きの予想は完璧に覆してみせた。バイエルンも成し遂げていない無敗優勝を飾ったことで『スポーツビルト』誌などは、「現在のレバークーゼンは歴代最強」だと書いている。
レバークーゼンに念願のリーグタイトルをもたらしたシャビ・アロンソ監督。現役時代も数々の栄光を手にしてきた彼は、言葉よりも、背中で語ろうとする指導者だ。今回は、アロンソの強みとなるパーソナリティを示す5つのキーを紹介しよう。
《その1:成長のために自ら手本を示す》
「チームや選手の成長を助けたいんだ」
常々そう語っているアロンソにとっては、自らが見本を見せるのは当然のことなのかもしれない。
レバークーゼンの選手たちは今シーズン開幕時と比べて、移籍サイト『Transfermarkt』の市場価値を約292億円(所属1選手あたり10.8億円)も高めた。キッカー誌が選定する全選手の採点ランキングでも、1位ビルツから8位フリンポンまでレバークーゼンの選手たちが独占。前代未聞の事態となった。
アロンソは僕ら全員に自信を与えてくれる
チームのエースであるビルツは、ドイツ人選手最高額タイとなる181億円(1億1000万ユーロ)の市場価値となったが――彼もまた嬉しそうに語っている。
「監督がボールを持つと、グラウンドは最初、沈黙に包まれるんだ。だって、監督は僕たちの誰よりも上手くボールを蹴るから」
アロンソの下でもっとも成長をとげたのが、今シーズンから加わった左ウイングバックのグリマルドだろう。昨年11月、28歳にして念願のスペイン代表デビューを飾った。愛弟子の筆頭である彼は、こう話している。