- #1
- #2
熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「阪神vs巨人は野球版クラシコ。西成よりサンパウロの方が危険」ブラジル人記者が驚く“関西ラテン気質”「ケマリにタコヤキ、ヤタガラスも…」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/05/17 18:05
日本プロ野球の「伝統の一戦」と言えば阪神vs巨人。日本サッカー通で現地滞在中のブラジル人記者が甲子園球場で観戦したそうだ
「選手個々に応援歌があるのはすごいね。一方で攻撃と守備と頻繁に繰り返すので試合がブツ切りになるし、試合時間も長い。だから試合中、観衆の多くは食べ物や飲み物を買いに行ったりトイレへ立ったり、せわしなく動いている。
もしかしたら野球を見ながらの食を楽しんでいる部分もあるのかもしれないけど、フットボールのように、試合中ずっと応援しているわけではないね」
――野球はシーズンの試合数がフットボールの数倍あるから、1試合の勝ち負けの重みも違います。
「なるほど。阪神ファンはとても熱狂的で好感を抱いたよ。一方で試合を通じての応援の強度はフットボールの方が高いんだなと思った」
奈良、あと広島の宮島に鹿がいてビックリ
――関西で訪れた町で印象に残るのは?
「京都は、2019年に初来日した際に金閣寺、銀閣寺、伏見稲荷など主な観光名所を訪れているから、京都を別にすると奈良と神戸だね。奈良の大仏の大きさと迫力には感動したし、市内各地のどこにでも鹿がいて、とても人懐こいのに驚いた。
ブラジルにも鹿は少しいるけど、都会じゃなくて田舎の雑木林の中などにいる野生の鹿なんだ。だから、獰猛で、人を襲ったりする。でも、日本の鹿は煎餅を見せると寄って来て、おいしそうに食べる。とても可愛らしいんだよね。今度詳しく話すけど、広島県の宮島にも鹿がいたね。鹿といえば……鹿島アントラーズのホームタウンである鹿島市の鹿島神宮に今回は足を運べなさそうで残念だ。宮島に行ったのは5月15日の広島vs鹿島の翌日だったから、鹿島サポーターはいっぱい見かけたけどね(笑)。神戸は、街がとてもきれい。港一帯も訪れた」
――京都では、蹴鞠を見たそうですね。
「4月14日、白峯神宮で毎年恒例の蹴鞠奉納があった。僕は、2022年に日本のフットボールの全史を紹介する本(『サムライス・アズイス』 =青きサムライたち)をブラジルで出版する際、この1300年以上前から続いている日本のフットボールの原点について詳しく調べ、本の中で一章を割いている。皇族、将軍、武士、さらには天皇まで愛好したことに感銘を受けていた。
この時期、日本に滞在することを決めて調べていたらこの神社で蹴鞠奉納があることを知り、とても楽しみにしていたんだ」
蹴鞠を実際に経験してみて「2回も続かない!」
――実際に見てみて、どんな印象を持ちましたか?