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「阪神vs巨人は野球版クラシコ。西成よりサンパウロの方が危険」ブラジル人記者が驚く“関西ラテン気質”「ケマリにタコヤキ、ヤタガラスも…」 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byHideki Sugiyama

posted2024/05/17 18:05

「阪神vs巨人は野球版クラシコ。西成よりサンパウロの方が危険」ブラジル人記者が驚く“関西ラテン気質”「ケマリにタコヤキ、ヤタガラスも…」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

日本プロ野球の「伝統の一戦」と言えば阪神vs巨人。日本サッカー通で現地滞在中のブラジル人記者が甲子園球場で観戦したそうだ

「神社の中のこぢんまりした境内で、色とりどりの昔の装束を着た8人が輪になり、小さな球を蹴り上げる。全員、神社の職員の人だそうで、女性もいた。球は、サッカーボールより少し小ぶりで、鹿の革で作られており、重さが120g前後ということだった。

『オウ』とか『ヤア』とか声を上げながら、ボールを蹴り上げて他の人に渡す。我々ブラジル人が、ビーチで小さなゴムボールを蹴り上げて遊ぶのと似ている。数回続いて球が落ちたら、またやり直していた。

 儀式が終わり、僕たち見学者もボールを蹴らせてもらえたんだけど、球が非常に軽く、コントロールするのが難しい。素人だと、誰かが蹴ったらそれで終わりで、2回と続かないんだ(笑)。神社の人たちが良く練習していて、とても上手だったのがわかったよ」

熊野本宮とヤタガラスも見てきたよ

――神社そのものは、どんな感じでしたか?

「ここは、鞠の守護神を祀っていた関係で、今ではスポーツ全般の守護神とされているそうだ。サムライ・ブルー、なでしこジャパンはもとより、バレーボールやバスケットボールの代表チームやクラブチームから奉納されたボールなどが飾られていた」

――日本サッカー協会がシンボルマークとしている八咫烏が祀られている和歌山の熊野本宮大社へも行ったそうですね。

「大阪から特急列車とバスを乗り継いで、往復10時間余り。かなり遠かったけれど、行った甲斐があったよ。

 峻厳な山の中にある広くて荘厳な神社で、スピリチュアルな雰囲気を感じた。ヤタガラスは3本足のカラスなんだけど、ブラジルにはカラスがほとんどいないから、少し不思議だった。紀伊勝浦には那智の滝があり、上から垂直に落ちてくる滝がとても綺麗だった」

西成はサンパウロより安全。関西人はラテン系だね

――関西では、どこに滞在しているのですか?

「大阪の西成。こう言うと、みんなビックリするんだよね。『貧しくてやや危険、物騒』 というイメージがあるそうなんだけど、サンパウロのダウンタウンなどと比べると危なくも何ともない。外国人も多く、自由な雰囲気を感じて、『全く問題なく住めそうだな』 と思ったよ(笑)」

――関西人と関東人の気質の違いをどう思いますか?

【次ページ】 関西人はラテン系に近いね

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