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出産→マラソン復帰でMGC出場、前田彩里32歳が明かす“母になってからの変化”「私の足、こんなに重たかったっけ」「子どものことばかり考えて…」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2024/02/18 17:02
一度出産を経験したのち、マラソンに復帰し2023年のMGCにも出場した前田彩里。出産を経て異例の復帰までを振り返る
レース当日は、かなりの雨で気温が低く、前田は震えるぐらいの寒さのなか、スタートした。23km地点で一山麻緒と細田あいが前に出た。細田はダイハツからエディオンへ移籍する前、前田とチームメイトだった。その時期、細田は一緒にマラソン練習をこなすことで前田のマラソン選手としての姿勢や気持ちの持ち方を学んだ後輩だった。
「細田とは、名古屋を走る際、一緒に合宿をしていました。でも、私から何か学んでほしいとかはなくて、和気あいあいと練習していましたので、それが良かったかなと思います。細田がいてくれたおかげでいい刺激をもらいましたし、自分もがんばろうと思えました。入社してもう10年チームに在籍しているのですが、これからも何かしら影響を与えられる存在でいたいなとは思います」
細田らの先頭集団から離れて、第2集団で走っていた前田は、お腹の調子が悪く、10kmでトイレに入った。その後も体調不良が続き、35km地点でオーバータイムの関門に引っかかり、レースを終えた。
コーチから「まだまだやれるでしょ」
五輪選考のレースは、運がない。
リオ五輪の選考レースも東京五輪をかけたMGCも故障のために欠場した。今回は、MGCを走れたが、DQ(失格)という結果に終わった。