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出産→マラソン復帰でMGC出場、前田彩里32歳が明かす“母になってからの変化”「私の足、こんなに重たかったっけ」「子どものことばかり考えて…」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2024/02/18 17:02
一度出産を経験したのち、マラソンに復帰し2023年のMGCにも出場した前田彩里。出産を経て異例の復帰までを振り返る
同じランナーでもある母の支え
「その時間は、母が子どもと寝てくれたので、筋トレしたり、走ったり、自分のトレーニングの時間にしていました。うちは夫も競技者なので、家にいることもあるんですけど、なかなかいつもそうはいかないこともあって。母がいてくれたおかげで子育ても、走りにいくこともできたので、本当にありがたかったです」
母も市民ランナーゆえ、ふたりでうまく時間を調整して走っていた。同じ陸上競技者である夫は合宿などで不在の時が多いが、子どもについてはいろいろ話をしている。
夫とは「競技のことはお互いに干渉しない」
「子どもができる前からお互いの競技については、干渉しないみたいな感じで、どんな練習しているのかとか、聞いたことがないです。お互いに勝手に頑張ってくださいという感じです（苦笑）。聞かれたことには答えますけど、男性と女性の違いもありますし、私がずっと見ているわけではないので、あんまり口出さないようにしています。ただ、子どものことは幼稚園のこととか、いろいろ話をします」
夫は家にいる時は育児をしてくれたり、遊び相手になって時間を作ってくれたりしてくれた。
走り続けていくなかで、自分の体に変化を感じたのは、2021年の9月、断乳をしてからだった。断乳というのは、親の意思で授乳をやめるということである。
「断乳する前は、体が重く、筋肉もつきにくかったんです。でも、離乳食が始まって、ミルクにシフトするようになって、体が軽くなって明らかに変化を感じました。娘が1歳になった2021年暮れの宮崎合宿からチームに合流したのですが、最初はもちろんついていけず大変でした。でも、チームメイトのサポートのおかげで走れて、ホッとしました。意外と身体は忘れていないなと（笑）」
