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井上尚弥「ディフェンス面が思ったよりすごくて…」タパレスの健闘は“階級の壁”によるものなのか? 当日体重は「井上より2kg以上重かった」
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2023/12/27 17:04
10回KO勝ちでスーパーバンタム級4団体統一を成し遂げた井上尚弥。マーロン・タパレスの奮闘も印象に残る名勝負となった
当日体重は2kg以上も…打たれ強さと体重の相関性
試合後、タパレスは「これから井上と対戦する相手にアドバイスを」と問われて、「グッドラック」とまともに答えなかった。それでも今回の戦いぶりを見て感じたのは、やはり井上と五分に渡り合い、勝利を手にするためには、あの強打にある程度耐えるだけの「打たれ強さ」が必要条件になるということだ。
井上はスーパーバンタム級に上げる前、階級アップによる変化をいろいろと予測していた。その一つが対戦相手の耐久力が上がることだった。今回、井上の当日体重は61.4kgで、タパレスは63.5kg。7月のスティーブン・フルトンは61.1kgだったから、タパレスのほうが重い。もちろん体重と耐久力はイコールではないが、ある程度の相関性はあるのではないだろうか。
転級初戦でクラス最強と目されるフルトンに完勝し、「階級の壁」という議論は消えてしまったように思う。ただ、バンタム級とスーパーバンタム級の違いは確かにある。今回の試合はそう感じさせた。今後、よりタフな相手を迎えたとき、井上はどう対処していくのだろうか。今回の経験は学習能力が高い井上にとって大きな財産になったことだろう。2024年、さらに進化を遂げる姿を楽しみにしたい。