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落合博満が語った《2010年優勝》“オレ流”ドラゴンズと岡田阪神の意外な共通点…“5年連続失策数ワースト”だったタイガースが甦ったワケ
text by
掛布雅之Masayuki Kakefu
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/11/04 11:00
2010年に優勝した中日の落合監督と今季優勝の阪神・岡田監督。その勝利にはある共通点が…?
そして、セカンド藤本、ショート鳥谷、センター赤星憲広を配置することで、センターラインの強化に成功したことが、2005年のリーグ優勝につながったのだろう。
二期目の岡田監督の前任の矢野燿大監督(2019~22年)は、複数ポジションで選手を起用していた。2022年シーズンには、佐藤輝明は、サードで80試合、セカンドで63試合の出場だった。8月後半にはセカンドを守ることもあった。試合中にポジションが変わることも多かった。
大山(悠輔)に至っては、ファーストが78試合、レフトが36試合、サードで7試合の出場だった。阪神のエラー数は5年連続でセ・リーグ最多となった。
岡田監督が明言した「主力のポジション固定」
岡田監督は就任記者会見で、「責任を持ってそのポジションを守らせるようにしないと、なかなかエラーは減らないと思うね」と語っていた。大山選手の一塁固定、佐藤選手の三塁固定を明言したのだ。
なぜ、2018年から阪神は失策数がセ・リーグワーストだったのだろうか。それは、鳥谷が抜けてしまったからだろう。鳥谷がショートとして全試合出場していた2005年から2015年の間は、一度もセ・リーグワーストの失策数を記録していない。どちらかというと、セ・リーグの中では失策数は少ない球団だったのである。
やはり、守り勝つためには、守備の固定とセンターラインの強化は欠かせないということだろう。
<「岡田改革の真実」編に続く>
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