Jをめぐる冒険BACK NUMBER
〈パリ世代初、4失点大敗の背景〉スコアほど差はないのになぜ…「相手がどこであろうが」大岩剛監督と主将・山本理仁の言葉に見る現在地
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byYuki Matsuo
posted2023/10/19 11:03
アメリカのハードマークに苦しめられる松木玖生。パリ世代初の3点差負けから課題を解決していけるか
「アジアだろうが、ヨーロッパだろうが、北中米だろうが、ピッチが悪かろうが、アウェイだろうが、時差があろうが、我々がやろうとしているスタイルをハイスピード、ハイインテンシティの中で突き詰める。相手がどこであろうが、スタンダードをもっともっと上げる。その必要性を、今日のゲームで痛感しました」
つまり、ピッチ状況が悪くなく、相手が戦術的に整理されているチームなら、欧州の強豪であっても対抗できるが、そうでない場合、自分たちのスタンダードを発揮するのが難しい――それが、今の現在地と言えそうだ。
ちなみに、今遠征で対戦したメキシコはすでにパリ五輪予選で敗退しており、メンバーもこの世代のベストではなかったから、レベルに関しては怪しいものがあった。
このレベルに勝たないと、GL突破やメダルは見えてこない
一方、アメリカは新監督を迎えたばかりとはいえ、パリ五輪の出場権を獲得しており、日本戦は本大会に向けた強化の一環。A代表経験者は7人で、MLSのクラブに所属する選手が大半だったが、イタリア2部のべネツィアやオランダ1部のユトレヒト、ベルギー1部のウェステルローに所属する選手もいた。
このレベルに勝てなければ、本大会でのグループステージ突破、メダル獲得は見えてこない。
次なる活動は、11月18日のU-22アルゼンチン代表戦となる。大岩ジャパンにとって南米勢との対戦は初めてのこと。アメリカ戦で突きつけられた課題をどう克服し、南米の雄にどうぶつけるか――。来年4月のパリ五輪アジア最終予選、来年7月のパリ五輪本番まで残された時間は多くない。成長スピードをより加速させていく必要がある。