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〈パリ世代初、4失点大敗の背景〉スコアほど差はないのになぜ…「相手がどこであろうが」大岩剛監督と主将・山本理仁の言葉に見る現在地

posted2023/10/19 11:03

 
〈パリ世代初、4失点大敗の背景〉スコアほど差はないのになぜ…「相手がどこであろうが」大岩剛監督と主将・山本理仁の言葉に見る現在地<Number Web> photograph by Yuki Matsuo

アメリカのハードマークに苦しめられる松木玖生。パリ世代初の3点差負けから課題を解決していけるか

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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Yuki Matsuo

大岩剛監督率いるU-22日本代表は現地時間10月17日のU-23アメリカ戦、1-4の敗北を喫した。大勝したメキシコ戦から一転、大量失点に終わった一戦の背景について、現地取材するライター飯尾篤史氏がレポートする。

 イタリアやスペインなど欧州の強豪との8連戦を含め、2022年3月のチーム立ち上げから22試合をこなしてきたが、初めてのことだった。

 3点差で敗れたのも、4失点を喫したのも――。

 4-1で勝利したU-23メキシコ戦に続くアメリカ遠征の第2戦。10月17日のU-22アメリカ戦でU-22日本代表は1-4の大敗を喫した。

“行ったり来たり”でアメリカの土俵に乗せられたのでは

 センターバックのチェイス・アンリ(シュツットガルト)のパスミスを起因に前半6分に先制点を許したが、前半35分にコーナーキックの流れから松木玖生(FC東京)のゴールで同点に追いついた。

 ところが、前半45分、後半12分、後半28分と立て続けにカウンターやセットプレーからゴールを許し、突き放されてしまった。

「自分たちの時間帯だったのにやられてしまって、本当にもったいない失点」

 2試合連続スタメンとなった左ウイングの三戸舜介(アルビレックス新潟)が悔やんだように、スコアほどの力の差は感じなかった。日本が攻め込む時間帯もあったが、それなのに4失点も喫したことが問題だった。

 アメリカはロングキックを多用し、スピードと強度を前面に押し出してきた。日本も素早いトランジションで対抗し、ボールを奪ってショートカウンターを繰り出していく。

 前線ではセンターフォワードの細谷真大(柏レイソル)が基準点となるべく奮闘し、左サイドでは松木や三戸がドリブルで相手を剥がし、局面を打開する。

 しかし、チームとしてセカンドボール争いで後手に回る場面が少なくなかった。速攻の応酬となり、行ったり来たりする展開になったのは、アメリカの土俵に乗せられた証ではなかっただろうか。

苦しんだ要因はビルドアップ、そしてミドルプレス

 日本が落ち着いてゲームを進められなかった要因に、ビルドアップの不安定さがありそうだ。

 相手を見ながら立ち位置を取り、ディフェンスラインからボールを運ぶビルドアップは、大岩ジャパンの生命線のひとつ。ところが、アメリカの激しいプレス、土がむき出しの硬いピッチの影響もあり、攻撃陣にスペースと時間を与えるようなビルドアップができなかった。

【次ページ】 欧州勢の方が、狙いとするサッカーを表現しやすい?

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