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35年前「伝説の宝塚記念」を知っているか? タマモクロスと“マイルの帝王”が激突した名勝負の記憶「タマモ派の私は素人扱いだった」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph bySankei Shimbun
posted2023/06/25 06:00
1988年の宝塚記念。前年秋から連勝街道を驀進していたタマモクロスが、安田記念を制して参戦した本命ニッポーテイオーに完勝した
もうひとつは開催時期の変化。宝塚記念は1995年まで6月の上旬か中旬に行われていたのだが、96年からは7月上旬、2000年からは6月下旬と梅雨の真っ只中になった。力の要る馬場で、スピードよりもスタミナとパワーがモノを言うようになり、マイラーにとっては厳しい舞台となった。
また、安田記念も、グレード制が導入された1984年から95年までは5月中旬に行われていたのだが、96年から6月上旬か中旬の開催となった。宝塚記念までの間隔は変わっていないのだが、安田記念という大目標にピークを持って行く時期が遅くなったことにより、そこを使ったら夏場は休養にあてるケースが多くなった。
このまま、宝塚記念が「安田記念から遠いレース」になってしまうのは、タマモクロス対ニッポーテイオーの一戦にのめり込んだ身としては、寂しいし、残念だ。
「マイル王が参戦する宝塚記念」を見たい
今年の安田記念で連覇を果たしたソングラインは、月刊『優駿』の観戦記にも書いたのだが、一頭だけ別次元の脚を使うところといい、東京での強さといい、大きなジグザグの流星といい、まるで「ウオッカの再来」だった。秋はアメリカのブリーダーズカップマイルを目指すようだが、ウオッカのように、距離はもっと長くても大丈夫じゃないかという気もする。ウオッカは宝塚記念に3歳のときに挑戦して勝てなかったが、またソングラインのような馬が現れたら、宝塚記念も次走の候補に入ってくるようにならないものか。
女傑グランアレグリアがスプリントGI、マイルGIにつづき、大阪杯や天皇賞・秋といった中距離GIとの「3階級制覇」を目指して達成できなかったが、ああいうチャレンジには胸躍るものがある。
来年以降の宝塚記念は、そうした点からも楽しめると、より嬉しい。
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