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「やっぱり別格だった」ルーニーが明かすアーセナル戦の秘話&アンリを絶賛「単純にプレーを見るのが好き」「自分が注目したのは…」 

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サイモン・マロック

サイモン・マロックSimon Mullock

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photograph byGetty Images

posted2023/04/17 17:00

「やっぱり別格だった」ルーニーが明かすアーセナル戦の秘話&アンリを絶賛「単純にプレーを見るのが好き」「自分が注目したのは…」<Number Web> photograph by Getty Images

2004年プレミアリーグ、アーセナル戦でゴールを決めたマンチェースター・ユナイテッドのルーニー

「インビンシブルズの一番素晴らしいところは、誰もが驚くようなサッカーをしながら、信じられない勝負強さも発揮して、きっちり無敗を貫いたことだと思う。

 あの記録は今でも歴史的な偉業になっている。たしかにリバプールや(マンチェスター・)シティも無敗のまま勝ち点記録を作ったけど、そこで必ず引き合いに出されたのはアーセナルだったはずだ。プレミアのシーズンを負けなしで乗り切るというのはそれだけ難しいし、アーセナルは一つの基準を作ったんだよ」

アーセナル戦はヘとへとになることを覚悟していた。

――君は2004年の夏、エバートンからユナイテッドに移籍している。ユナイテッドのメンバーになると、アーセナル戦の意味や重みも変わったんだろうか?

「自分は根っからのエバートンファンだから、現役時代の目標はとにかくリバプールを倒すことだった。どんなチームでプレーしようがね。ユナイテッドに移籍した後も、個人的にターゲットにしていたのは実はリバプール戦だったんだ(笑)。

 でも、アーセナル戦はやっぱり別格だったよ。アーセナルとの対決はタイトル争いを左右するビッグマッチだし、アーセナル側がベストの状態で試合に入ってくると、ユナイテッド側も究極の力試しをされるような展開になったんだ。

 そもそもアーセナルは、プレミアのどのチームよりもボールをキープするのがうまくて、プレーの切り替えも速かった。試合が始まるとパスを繋いで揺さぶりをかけてくるから、対戦チームの選手は否が応でも走り回らされる。連中はこうして消耗させて息の根を止めようとするんだ。自分自身、アーセナル戦の前は、へとへとになることを覚悟していたよ」

――それでもユナイテッドは、アーセナルと互角の成績を残していた。

「実はサー・アレックスは、アーセナル戦になると戦術を変えていたんだ。具体的に言うと、(ボールをキープすることにこだわらず)相手にボールを持たせろと言ったんだ。その上で、こっちは中盤からとディフェンスラインの深い位置で守備のブロックを作ってスペースを潰し、相手が自由にプレーできないようにする。こうして粘り強く戦いながら、ボールを奪った瞬間にカウンターに移るというのがゲームプランだった。アーセナル戦のゴールの多くは、そういうパターンから生まれたんだ。

 あんな戦い方をしろと言われたのは、アーセナル以外だとバルセロナ戦だけだったよ。ベンゲル側がそれを望んでいたかどうかはわからないけど、アーセナルとの試合はテクニックを競い合うというより、気持ちをぶつけ合うような戦いが多かった。だからこそ、(ダレン・)フレッチャーやパク(・チソン)のように運動量が多くて、身体を張れる選手が鍵になったんだ。彼らはアーセナルを封じ込め、自由にプレーさせないようにする役割を担っていたからね」

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