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「東大で一番になっても勝てない」東大野球部のエース井澤駿介が明かす”プロ志望届の真意”「アピールの意味合いが強かったですね」
text by
文藝春秋・編BUNGEISHUNJU
photograph byTakao Fujita
posted2023/04/12 17:01
東大野球部のエースとして活躍し、今春からNTT西日本でプレーする井澤駿介。社会人野球からプロを目指す
井澤 それは同時にできます。速くするアプローチもしますし、速く見せるかもありますし、変化球をどう真っ直ぐに近づけるか、真っ直ぐと同じような軌道から曲げて......。
ーー芯をズラして打ち取るってことですね。
井澤 あ、そうですね。打ち取り方はいろいろあるんで、そこを多方向にアプローチします。
ピンチでも動じない自覚は?「あります」
ーー井澤さんの持ち味は、ランナーが出ても粘り強く打ち取っていくことですね。ピンチでも動じない。ここから勝負だって......。そういう自覚はありますか。
井澤 あります。リズムが悪くなるので、野手には申し訳ないんですけど、僕、ランナー出したとしても、点入んなきゃいいじゃんぐらいの気持ちでやっています。もちろん、どんどん真っ直ぐで押して、変化球で空振り取るみたいなピッチングが理想ですけど、現状の能力で考えたときに、一番最適というか、粘り強く投げるというスタイルが、結果を残しやすいんじゃないかなって。
ーー自分がこういうふうに投げたときにこうなるっていう、再現性を磨くっていう作業になるのでしょうか。
井澤 この感覚だと、こういう球が行くっていうのを、自分の中で摺り合わせると、それが再現性にもなりますし、試合中に何かが悪くなった時に修正しやすいですね。急に感覚がズレたときに......、なんでしょう、感覚として、いいときのものをおぼえていて、なんとか修正の方に持っていける。そういう感覚はあります。
ーーたとえば数値的に、2年生、3年生、4年生の井澤投手を客観的に見ると、どれくらい変化しているんですか。
井澤 スピードは全然違います。2年のときは132とか3が真っ直ぐのアベレージで、4年になってからは138か9ぐらいに伸びています。マックスはもうちょっと出てるんで、そこが大きいですね。
ーーコントロールはどうですか。
井澤 球が速くなったぶん、多少はコースを狙わなくても打ち取りやすくなっていると思います。より大胆に攻めるっていうか、そういうことはできていますね。