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「東大で一番になっても勝てない」東大野球部のエース井澤駿介が明かす”プロ志望届の真意”「アピールの意味合いが強かったですね」
posted2023/04/12 17:01
text by
文藝春秋・編BUNGEISHUNJU
photograph by
Takao Fujita
『東大野球部には「野球脳」がない。 最下位チームの新・戦略論!』(文藝春秋)に掲載された井澤投手の一部抜粋して紹介します。(全2回の後編/前編へ)
東大の試合を見て「ヤバくね、みたいな(笑)」
ーー高校時代に練習会に参加して、東大球場で先輩たちと練習したと思うんですけど、実際に1年生で入った東大野球部の印象っていうのは、どうだったですか。監督は浜田さんでした。
井澤 入ってすぐの4月に、リーグ戦が始まるので、その印象が強いですけど......。僕が1年生の春、本当にボロボロで、打てないし、点を二桁取られて負けちゃう。他大も強いんだけど、 東大も物足りない。そういう気持ちは大きかったですね。
ーー神宮球場の印象は?
井澤 観客がすごい。プロもやってる球場なので、自分が目指してきたものというか......。こういうところでやりたくて、東大野球部に入ったので、感慨深いというか。
ーーチームとしては、ボロボロでした。当時1年生の松岡(泰希)さん、宮﨑(湧)さん、同じピッチャーの西山(慧)さんとか、どんな感じでしたか?
井澤 まあスタンドで、ヤバくね、みたいな(笑)。エースの小林さんも、ちょうど不調で、投手陣はボロボロで。
ーー何がそんなに違ったんですか。
井澤 一番は、個々の能力ですね。個で劣っていた上に、チームとしての方向性がわからない。 個で負けているのはわかっているのに、どうやって補おうとしているのか。真っ向勝負を挑んで、個で負けて、チームでも負けるので。
ーー言いにくいかもしれないけど、井出監督の前ですよね。コロナにもなる前で……。1年生のときにはスタンドから見ていて、俺が投げた方がとか、そんな感じはありました?
井澤 ピッチャーも球速は130ちょっとぐらいで、自分が現役で入ってたら、絶対にいいよなとは(笑)。
ーー1年生同士でも、そんなムードがあったわけですね。それでもジャイアント・キリングしたいから、あきらめないですよね。逆に燃えるんですか。
井澤 出番、早くもらえるなって思いました。
ーー井澤さんはチームを勝たせたいという思いもあるけど、まずは自分が成長したいって、すごく思っていたわけですか。