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「WBC栗山監督に選手へのリスペクトを感じます。ただ…」W杯後の“森保語録”に6つの変化?「切り返しの妙」を感じた瞬間とは
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2023/04/05 17:02
日本代表3月シリーズは1分1敗のリスタートとなったが、森保一監督のコメントには注視してみたいものがある
「2050年までに日本サッカー協会がW杯で日本代表が優勝するという宣言をしているので、そこに向けて我々はやるべきかなと思っています」
ハッキリ語ったのは長期的な目標だけではない。短期的な目標もそうだ。3月の2つの代表戦の戦術的なテーマをいくつも掲げた。その一つが以下のようなものだ。
「速攻から遅攻に移る時のプレス回避、どうやってプレーをするかというところは今回コーチ陣とも話ながら落とし込んでいこうと計画しています」
明確に語れば語るほど、わかりやすくなる。しかし、その半面、それが達成できなければ批判にさらされる。批判を避けるためだろうか、以前は煙に巻くことが多かった。だが、今は違う。腹をくくった感がある。
選手に向けた宣言からも、変化が垣間見える
では、なぜ、そのような変化があったのか。日本サッカー協会のYouTubeチャンネルでも紹介されていた、選手に向けたこんな宣言にも変化の理由の一端が見て取れる。
「俺がクロアチア戦のあとに一番思ったこと。もっと俺の想いを強くしておかないといけなかった。みんなの悔しさは、『やりきって、足りなかった』という悔しさではなかったでしょう? 違う? (ポテンシャルを発揮できれば)勝てていたんだ。(中略)
みんなのポテンシャルをみたときに、『もっと上げていける、そこは絶対に超えていける』と本気で思った。思わないといけなかった。そんななかでやっていかないとみんなに本当に失礼だと思った」
選手にそう宣言した以上、それができなければ資質を問われることになる。そんな覚悟が監督の変化にも表れているのだろう。
もちろん、これからも、森保監督が日本代表チームのトップとして、正しい道を進んでいくのかどうかを厳しい目で見て、判断しなければいけない。今回のコロンビア戦のように、チームが迷走したときには批判を受けてしかるべきだ。彼は我々日本人の代表になっているチームを率いる人なのだから。ただ、その過程で、変わろうとする努力をしているのであれば……そこに目を向け、評価する必要性がある。
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