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「韓国人の多くが“日本勝利”に賭けていた」韓国人は日韓戦を“本当はどう見ていたのか?”「野球ではなく“日本”に執着」「選手だけの責任か?」 

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崔碩栄

崔碩栄Che Sukyoung

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photograph byNaoya Sanuki

posted2023/03/16 06:00

「韓国人の多くが“日本勝利”に賭けていた」韓国人は日韓戦を“本当はどう見ていたのか?”「野球ではなく“日本”に執着」「選手だけの責任か?」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

ダルビッシュから3回に3点を奪うも、直後に逆転され、コールド負け寸前の惨敗を喫した韓国。国民はその戦いを本当はどう見ていたのか

 負けた日本選手たち、失望する日本ファンの姿に韓国選手だけでなく、韓国野球ファンは精神的な快感を得て、我々は強いという考えに酔ったりもした。そして、韓国が負けたら日本の経済力とインフラ、桁が違う野球チーム数(高校野球部数:日本3857校、韓国71校)などを言い訳にしてきた。

 しかし、それらは「野球」ではなく「日本」への執着であった。日本には何があっても勝たなければならないという強迫観念の産物だ。実際、今回のWBC日韓戦のTV中継でも、ある解説者から「これは野球ではありません。日韓戦です」という言葉が飛び出したが、これは野球の勝利ではなく、日本に対する勝利だけにこだわってきたことを示す良い例といえるだろう。日韓戦に燃え、プレッシャーを感じるのは日本の選手たちも同じかもしれないが、日本の選手たちが韓国の選手たちよりはずっとリラックスした様子で試合に臨んでいるように見えた韓国人は筆者だけではなかったはずだ。

敗退は、勝利よりも価値のある「教訓」になるのでは?

 だが、今回のWBCでの敗退は以前と違って冷静な反省、新たな刺激となっている。明らかな差をつけられた日韓戦がむしろ「順機能」(プラスの作用)を果たしているといえよう。これを高く評価したい。今回のWBCでの韓国の敗退は勝利よりも価値のある教訓になった。ただ、その教訓を生かすことができるかは、今後、韓国社会全体が時間をかけて見守っていくしかない。10年後、20年後のWBCで韓国チームが「日韓戦」ではなく「野球」に力を集中して勝負に挑む日が来ることを期待したい。きっとその時の日韓戦の方が、韓国人選手にとっても、多くのファンにとっても心から楽しめるものになっているはずだ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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