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「韓国人の多くが“日本勝利”に賭けていた」韓国人は日韓戦を“本当はどう見ていたのか?”「野球ではなく“日本”に執着」「選手だけの責任か?」
posted2023/03/16 06:00
text by
崔碩栄Che Sukyoung
photograph by
Naoya Sanuki
2023WBC――韓国代表チームは3大会連続の1次ラウンド敗退という結果に終わった。
油断していたオーストラリアとの初戦を落とし、2戦目の日本戦では「予想通り」実力の差を見せつけられ敗北。対戦前、日韓戦はやはり国民的な関心事ではあったが、韓国内でも「勝利」を確信している人はごく少数派であった。勝敗を当てるスポーツ振興くじ(「体育振興投票券」)でも韓国人の多くは日本の勝利にお金を賭けた。韓国人として「気持ち」はやはり韓国チームの勝利を期待するが、「損得」がかかった問題では冷静に評価せざるを得ない。総合的な戦力として力不足であることは野球ファンなら誰しもが認めていた。
「大谷も人間です」が示す大谷の存在感
今回の日韓戦は日本では40%を超える高視聴率を記録したが、韓国では勝利に対するあきらめムードが漂いつつも地上波3社が同時中継を行うなど関心を示した。
韓国側から見ても、やはり最大の注目選手は大谷だ。日韓戦では打者としてのみ出場した大谷だが、メジャーでの活躍と記録はすでに韓国にもよく知られており、その存在感は「警戒」を超えて「恐怖」のレベルだ。打席に入った大谷に対して韓国のTV解説者が放った「大谷も人間です」(弱点はあるはずだという意味)という言葉は、まさに大谷が韓国でどのように受け入れられているかを示している。
冷ややかだった韓国国内の反応
もう一人の“最高警戒対象”だったダルビッシュ有を攻略し、韓国が3点を先制した時は、韓国人の多くが「いける」という期待に沸いた。だが、そこまでだった。韓国が相次いで点数を奪われ、コールドゲームの危機にまで追い込まれるワンサイドゲーム。結局9点差で敗れたがその時、韓国の野球ファンが感じたのは「悔しさ」ではなく手も足も出ない「無力感」だ。