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「“屈辱”と表現するのも恥ずかしい」韓国人記者が冷静に振り返る惨敗の“韓日戦”「ダルよりイマナガが怖かった」「ヨシダ“大型投資”の理由がわかった」

posted2023/03/13 09:40

 
「“屈辱”と表現するのも恥ずかしい」韓国人記者が冷静に振り返る惨敗の“韓日戦”「ダルよりイマナガが怖かった」「ヨシダ“大型投資”の理由がわかった」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

第2先発としてゲームを引き締めた今永(左)と、勝負強さを発揮した吉田。韓国メディアは大谷同様にその力を認めた

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姜亨起

姜亨起Kang Hyeong Gi

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Naoya Sanuki

 WBCで14年ぶりに実現した日韓戦は、13−4という侍ジャパンのワンサイドゲームに終わった。すでに日本でも広く報じられている通り、韓国国内では為す術なく敗れた代表に対し、多くのメディアが痛烈な批判を浴びせた。

「またしても再現された“東京惨事”、韓国野球は崩壊した」(スポーツ専門メディア『MKスポーツ』)

「コールドゲームを辛うじて免れた恥辱のWBC韓日戦」(テレビ局『KBS』)

「雪辱叫んだが……結果は苦々しい韓日戦大惨事」(通信社『NEWSIS』)

「実力差は明らかだった……WBC韓国代表、宿敵・日本戦4−13大敗」(地方紙『釜山日報』)

 WBC取材のため来日中のスポーツ紙『スポーツソウル』のファン・ヘジョン記者も、大敗した自国の現実を重く受け止めているようだった。

「弁解の余地のない完敗です。ベンチの試合運営の未熟さ、投手陣の乱調……宿命のライバルと呼ばれた日本に喫したあわやコールドゲームの完敗は、両国の野球のレベル差を如実に示していました」

 ファン記者は試合直後、「失望感だけを抱かせた韓国野球」と題した記事を寄稿。そこでは、惨敗劇で露わになった韓国野球の現在地を冷静に書き記していた。

「屈辱と表現するのも恥ずかしい競技力であり、この試合で世界における韓国野球の現実が明らかになった。“溜まった水は腐る”とはよく言うが、韓国野球は依然として井戸の中にとどまっている」

直近6年6試合で韓国全敗の原因

 WBCの日韓戦と言えば、第1回、第2回の2大会で計8戦4勝4敗と、常に死闘を繰り広げた間柄だった。

 だが、近年は2017年アジアプロ野球チャンピオンシップを皮切りに、2019年WBSCプレミア12、2021年東京五輪と韓国の負け続き。気付けば今回のWBC含め直近6年間、計6試合の日韓戦で“韓国全敗”という結果だけが残った。

 そして今回の日韓戦最大の敗因となった“投手崩壊”。先発の34歳左腕キム・グァンヒョン(SSGランダース)は韓国が3点を先制した3回裏に4失点したとはいえ、2回までは日本の上位打線相手に5つの三振を奪う力投を見せた。しかし、2番手以降のリリーフ陣がことごとく制球を乱し、登板しては失点を積み重ねる悪循環にハマった。マウンドには10人もの投手が上がったが、日本の出塁をゼロに抑えたのは最後に登板したパク・セウン(ロッテ・ジャイアンツ)だけだった。

【次ページ】 大谷同様に韓国を驚かせた3選手

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大谷翔平
キム・グァンヒョン
今永昇太
吉田正尚
ラーズ・ヌートバー
イ・ジョンボム
イ・デホ

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