プロ野球亭日乗BACK NUMBER
村上宗隆の”4番問題”など…WBC侍ジャパン気になる3つの課題「打てなかったことは反省してるけど」「栗山監督は4番・村上にこだわる」
posted2023/03/15 17:33
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Naoya Sanuki
いよいよ“一発勝負”へと突入する。
第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は準々決勝に突入。1次ラウンドを4戦全勝で首位通過した日本は、16日19時からプールA2位通過のイタリアと対戦する。
野茂英雄投手とのかつての黄金コンビで知られるマイク・ピアッツ監督率いるイタリアは、大谷翔平投手の同僚でもあるロサンゼルス・エンゼルスのデビッド・フレッチャー内野手とその弟で3番を打つドミニク・フレッチャー外野手らを擁する強打のチームだ。一方の日本は投手陣が好調で危なげなく1次ラウンドを突破。準々決勝では大谷翔平投手が先発し、ダルビッシュ有投手もリリーフ待機して黄金のメジャーリーガーリレーで必勝を狙う。
そしてこの準々決勝からは負ければ敗退という一発勝負に突入する。一戦必勝のその戦いに向けての日本代表が抱える課題を3つに分けて整理してみた。
1)クローザー問題「栗林の離脱で代役は?」
腰の張りを訴えていた栗林良吏投手のチーム離脱が決定。代替選手としてオリックスの山崎颯一郎投手の招集が決まった。
山崎はすでに最悪の事態を想定して大会で使用するメジャー球での投球練習を行い、ブルペンだけではなく10日の巨人とのオープン戦でも1人だけ特別にメジャー球を使ってマウンドに上がるなど準備を進めてきている。準々決勝以降の残り3試合は先発投手の球数制限も緩和され、リリーフ陣、特に中継ぎの人材がより重要になる。そういう意味では中継ぎに山崎が加わるのは一つのプラス材料にはなるが、その一方でクローザー候補の1番手だった栗林の離脱はチームにとってはかなり大きな痛手となりそうだ。
代役の守護神は大勢となる。
大勢も昨年はプロ1年目ながら巨人のクローザーとして、栗林の31セーブを上回る37セーブをマーク。サイド気味の変則的な腕の振りから160㎞近いストレートと落差のあるフォークを武器にしたパワーピッチは、打者を圧倒する力感がある。ただその一方で時にはど真ん中に投げ込んでしまう制球力の甘さが一発勝負では不安な点だ。
「最も勉強になったのは一つ一つのボールの再現性の高さでした」
代表ではキャンプから栗林と行動を共にして、抑え投手として学んだことを大勢はこう語る。