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アメリカ人関係者がWBCで“一番見たい”日本人選手は?「彼はオオタニに次ぐ日本の逸材だ」「将来メジャーに来る」米国記者は侍ジャパンをこう報じた
posted2023/03/15 11:04
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
KYODO
どうだろう、WBCのこの盛り上がり。
おそらく、世界でいちばんWBCの報道量が多いのは日本だろうが、そうなるとかえって気になるのが、海外でこの大会がどう報じられているかということだ。
まず、好感度抜群のチェコの野球記事を探したが、チェコ野球協会による記事しか見つからず、しかもチェコ語だったのでギブアップ。やっぱり、アメリカのメディアに展開することにした。
「アメリカでいちばん熱望されている投手は?」
【ニューヨーク・タイムズ(NYT) ベンジャミン・ホフマン記者】
充実のスポーツ面を誇るNYTでは、日本の韓国戦が終わったところまでで、ホフマン記者の「WBC、ここまでに分かったこと」という記事がアップされており、日本についてこんな見出しが躍っていた。
「日本投手陣はディープ。そして、打線もディープ」
投手陣ではアメリカでも馴染みの深い大谷翔平とダルビッシュ有について触れられているのだが、もっとも期待されているのは――佐々木朗希だった。
佐々木については去年4月、完全試合を達成した時にNYTにビクター・メイサー記者が取り上げており、“Japanese Phenomenon”大谷に次ぐ日本の逸材、という見方が定まっている。
彼が将来、メジャーリーグにやってくるという前提で話が進んでいる感じなのだが、日本が準々決勝を突破し、アメリカでの準決勝に進んだ場合、アメリカの関係者、ファンがその登板を熱望しているのは佐々木朗希に違いない。
「えっ? ヌートバーの定位置危ういの?」
【セントルイス・ポスト・ディスパッチ ジュピター発 デリック・グールド記者】
セントルイスの新聞の電子版も気になるところ。カージナルスのコーナーをクリックすると、ラーズ・ヌートバーの記事がトップに上がっているではないか。グールド記者は「ヌートバーはWBCでファンタスティックな航海をジャンプスタートで決めている」と書き出し、1次ラウンドの4試合で14打数6安打、4四球を選び、出塁率が.579であることを報じている。そしてこう書く。