酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「ヌートバー25歳と同い年は誰?大谷翔平28歳=実は年長?」「ドラ1は14人、育成出身は?」侍ジャパン(鈴木誠也含む)データで見る関係性
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2023/03/13 17:45
日に日に盛り上がるWBCの侍ジャパン。パーソナルデータを調べてみると?
この30人の内、甲子園に出場した経験があるのは15人、出場した経験がないのは14人、最年少の高橋宏斗は、中京大中京高3年の2020年、夏の県大会で優勝したが、この年はコロナ禍で甲子園大会が開かれず、甲子園で夏に「交流試合」をしただけだ。これも「甲子園組」に含めれば16人になる。
投手、野手では、投手は15人中8人が甲子園出場(高橋宏含め)、7人が出場せず。野手も15人中8人が出場、7人が出場せずと差はなかった。
これを多いと思うか、少ないと思うかは議論が分かれるだろうが――「私学→甲子園出場」が、侍ジャパンに選出されるようなスター選手になる絶対条件とは言えないのではないか。
なお、近年甲子園で圧倒的な実績を残している大阪桐蔭高の選手はいない。現役では今季からオリックスの森友哉、巨人の中田翔、西武の中村剛也など多くの有名選手を輩出しているが、巡り合わせが悪かったということか。また今回は30人すべてが別の高校。同窓生、先輩後輩の関係はなかった。
ドラフト順位、そしてヌートバーは“二刀流”
〈6.最終のアマチュアキャリアとドラフト〉
30人の内高卒で入団したのは17人、大学からの入団は8人、大学から社会人を経ての入団は4人、高校から独立リーグ(富山)を経ての入団が1人。高卒で入団した選手が多いことがわかる。西武の源田壮亮と広島の栗林良吏は、ともにトヨタ自動車出身だが、在籍時期は重なっていない。
余談ながら、ラーズ・ヌートバーは生まれ故郷のカリフォルニア州ロサンゼルス郡エルセグンド高校時代は野球とアメリカンフットボールで活躍。南カリフォルニア大学に進んだが、この大学の野球部の施設の一部は穀物商として成功した曽祖父のハーバート・ヌートバーが寄贈したものだった。ちなみに曽祖父のハーバートは大変な長命で、ラーズが19歳になった年に108歳で没している。
30人のドラフト順位は、ドラフト1位(1巡目)が14人、2位以下の支配下ドラフト指名が12人、育成ドラフト指名が4人となっている。
投手ではドラフト1位(1巡目)が10人、2位以下が4人、育成が1人。野手ではドラフト1位が4人、2位以下が8人、育成が3人となっている。やはり投手の方が、入団時から素質、素材を高く評価されていた選手が多かったことがわかる。
「育成上がり」が4人いることの価値
しかし、そんな中でも「育成上がり」が4人もいることは特筆に値するだろう。