酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「ヌートバー25歳と同い年は誰?大谷翔平28歳=実は年長?」「ドラ1は14人、育成出身は?」侍ジャパン(鈴木誠也含む)データで見る関係性
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2023/03/13 17:45
日に日に盛り上がるWBCの侍ジャパン。パーソナルデータを調べてみると?
育成は年俸は240万円程度、契約金はなく支度金があるだけ。3桁の番号をつけてプレーするが、一軍の試合には出場できない。また契約年限は3年と決まっている。契約延長は可能だが、多くは支配下登録されないままに退団することになる。これまで470人前後が育成ドラフトで指名されたが、支配下契約を勝ち取ったのは4分の1程度と言われる。
そんな中から這い上がって侍のユニフォームを着たのは、称賛に値する。
宇田川をダルビッシュが励ますという素晴らしい関係性
なかでもオリックスの宇田川優希は、一昨年入団したが故障のため二軍戦は1試合に出ただけ。契約延長も危ぶまれたが、昨年後半に頭角を現しセットアッパーとしてポストシーズンで活躍。これが栗山英樹監督の目に留まって侍ジャパンに選出されたのだ。
まさにシンデレラボーイだ。侍のキャンプではスター選手に囲まれて気後れしていたが、これを察したダルビッシュ有が「宇田川会」と称する食事会を開いて、彼を選手たちの真ん中に押しやり、励ました。ダルビッシュは「どんな経歴を経てプロに入ろうとも、みんな野球をする仲間なんだ」と言いたかったのだろう。心温まるエピソードだ。
第5回WBCでは、生まれも育ちも全く違い、個性も異なる「30人の役者」たちが躍動している。準々決勝以降、私たち野球ファンにどんなステージを見せてくれるのだろうか?
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