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「ミトマのポテンシャルは…」三笘薫の才能をJの名外国人、監督や解説者が称えた日「薫はそれくらいの存在」「DFはあっさりと」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA,Getty Images
posted2023/02/08 11:01
カタールW杯後、ブライトンでも活躍が続く三笘薫。識者や指導者はどう彼の才能を見たか
選択肢をいくつも持っていることでDFは…
<名言2>
三笘の場合は選択肢をいくつも持っていることで対峙するDFはあっさりと翻弄されてしまう。
(福田正博/NumberWeb 2021年2月26日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/847174
◇解説◇
分かっていても止められない、三笘のドリブル。現地時間2月4日に開催されたプレミアリーグ第22節ボーンマス戦のプレーが――ヘディングでの決勝ゴールと同等に――話題になっている。
35分、左サイドのペナルティーエリアに進出した三笘に対して、相手右サイドバックのアダム・スミスが対応した。しかし三笘が相手の重心を瞬時に察知してゴールライン方向に向かって仕掛けると、アダム・スミスは両ひざを地につけるしかなかった。クロスこそゴールに直結しなかったが、ボーンマス陣営に恐怖感を与えたのは間違いない。
そんな三笘について、90年代の日本代表と浦和でスコアラーかつアタッカーとして活躍した福田が、2021年のJ1開幕時期にこんなふうに語っていた。
「彼のプレーを見てまず思うのは、足元で受けて仕掛けるドリブルが上手いのはもちろん、ディフェンスがプレッシャーをかけるとその背後を取るなどボールを受ける際の動きも秀逸だということ」
90分間を通じてみると、三笘は“何が何でも仕掛ける”というタイプではない。福田の言う通り「選択肢をいくつも持っている」上で相手マーカーとの駆け引きに臨み、そして勝っている。そんな知性やスマートさを感じさせるアタックが、三笘らしさとも言えるのだろう。
鬼木監督が三笘という存在に考えたこと
<名言3>
薫に代わって投入される選手も後から出ていくプレッシャーがある。薫はそれくらいの存在になったんですよ。
(鬼木達/NumberWeb 2022年11月22日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/855447
◇解説◇
プロ入り後の三笘薫を監督として起用する立場を経験した日本人は、現時点で日本代表・森保一監督とフロンターレの鬼木監督だけである。
鬼木監督はプレミアで活躍する三笘について「凄いですよね(笑)。ただ、日本にいる時からこうなるかなという感じはありましたよ。(中略)たぶん向こうに行っても(ドリブルで)抜けてしまうんだろうなと。毎日見ていた選手ですから、やっぱりあのレベルなら通用するよねと納得しました」と語っていた。
そんな鬼木監督の言葉からは、当時のフロンターレの選手たちや指揮官も驚きを感じていたことがよくわかる。
「一緒にプレーする選手たちも『あいつはやばいよ』と認めていましたし、足りない部分も当然あったんですけど、それを超えていくものの方が多かった」
そんな三笘を、チームを勝たせるためにどう組み込んでいくか。さらには交代枠が5人制になったタイミングもあって、鬼木監督の中でも新たな課題を考えるきっかけとなったようだ。