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現地ブライトンファンからも愛される三笘薫「ミトマは歴代最高だ」「もっとミトマのことを教えて」劇的ヘディング弾の直後、日本人記者が聞いた
posted2023/02/07 11:00
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
AFLO
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三笘「入りそうな予感がした」
最大の見せ場は、0−0で迎えた後半42分に訪れた。
左サイドからジェレミー・サルミエントのクロスボールが入ると、三笘薫はゴール前のスペースに入り込み、打点の高いヘディングシュートを放った。本人が「ミートすることに集中していた」と振り返ったシュートは、GKの手に当たりながらもゴール左に吸い込まれた。土壇場の決勝ゴールに、ブライトンのスタンドはお祭り騒ぎ。劇的な決勝弾に、三笘も喜びを爆発させた。
試合は、そのままブライトンがボーンマスを1−0で下して終了。三笘はスタジアム発表のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選ばれ、英BBC放送と英衛星放送スカイスポーツでもMOMに選出された。それだけではない。プレミアリーグ公式サイトでも三笘は得票率79.9%でMOMを獲得。2位のGKロベルト・サンチェス(得票率8.2%)を大きく引き離しての受賞となった。
三笘は、これで公式戦3試合連続でゴール。飛ぶ鳥を落とす勢いで得点を重ねる日本代表MFは試合後、ゴール場面を次のように振り返った。
「(自分がクロスに)ぎりぎり届くか届かないかぐらいだったので、逆にああするしかできなかった。ボールに弱く当たったのが良かったかなと思います。入りそうな感じはあった。GKに触られましたけど、入る感じはしていました。(決まってくれという)気持ちもあったと思います。
(記者:「入りそうな感じがした」というのは、クロスが入ってきた時か、それともシュートを打った後なのか?) クロスが上がって、僕のところに(ボールが)来ると思ったので。自分の動き直しも良かったですし、いいところを見つけて入ることができた。シュートは、枠内に飛ばすことだけを意識しました」
三笘によれば、クロスが入りそうなタイミングで自然とスペースに滑り込み、ボールが入ってきたところで、ゴールが決まりそうな予感がしたという。
本人は英BBC放送のインタビューで「ヘディングシュートはあまり得意ではなく、自分でも驚いている」と英語で答えていたが、“ゾーン”に入っているアタッカーは、このような感覚でゴールを重ねていくのだろう。結果を重ねていることで余裕と自信が生まれ、感覚も集中力も研ぎ澄まされているように見える。まさに、絶好調だ。