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「サッカー興味なかったのに本田さんの解説で…」にわかファン激増の“ケイスケホンダ語録”を最終検証…PK敗戦「74秒後の言葉」に震えた 

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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photograph byGetty Images

posted2022/12/07 17:02

「サッカー興味なかったのに本田さんの解説で…」にわかファン激増の“ケイスケホンダ語録”を最終検証…PK敗戦「74秒後の言葉」に震えた<Number Web> photograph by Getty Images

SNS上でも「サッカー興味なかったのに本田さんの解説で……」という声が多く挙がった。その解説の核心に迫る(写真は2020年撮影)

 <名言8>
「サッカーっておもろいな、ほんま。あんないい加減な感じが1つの戦術ですからね」(後半19分)

 クロアチアはとにかく前線にボールを供給し、そのセカンドボールを狙ってチャンスを作り出そうとする。この戦術について、本田は「いい加減な感じ」と表現して「サッカーっておもろいな、ほんま」と素直な感想を述べた。専門用語ではなく、誰もが馴染み深い「いい加減」で説明した。そのため、視聴者の耳に残った。「うざい」も、相手が良いプレーをした時に発している。つまり、本田は敵を称賛する際、一般的にはマイナスの言葉を口にしている。本人は無意識かもしれないが、この使用方法も日本を応援する視聴者に受けた一因ではないだろうか。今後、解説を聞く機会があれば、「裏の意味」を頭に入れておきたい。

「そうか、本田さんもいちファンだったんだ」

 <名言9>
「これね、PK見ます?」(延長後半15分)

 <名言10>
「もう勝たせてよ」(PK戦直前)

 解説者にとってロジックは最も大事だが、ファンと同じようなパッションを持っていたから、視聴者はより本田にシンパシーを覚えたのだろう。W杯中、理詰めで唸らせてきた本田がPK戦直前「もう勝たせてよ」と神に祈るような気持ちを吐露し、ファンと同じ心理状態になっていた。考えてみれば、本田もプロサッカー選手になる前は、いちファンだったはずだ。子供の頃の気持ちを今も忘れていない――そう思わせる言葉が視聴者を惹きつけた。

本田さん解説よ、再び…

 <名言11>
「日本がもう一歩さらに上に行くには、サッカーの戦い方をもっとしゃべらないとダメだなと思いますよね」

 にわかファンは批判されがちだが、誰でも最初はにわかである。その人たちが本田の解説でサッカーの面白さに目覚め、普段から気に掛けるようになれば、サッカー界全体が活気づく。史上初のベスト8以上に辿り着くためには、ファン一人ひとりの競技に対する造詣の深さや物事の捉え方も重要になるだろう。

 現役選手のため難しいと思うが、今後も可能な限り「解説者・本田圭佑」としてサッカーの奥深さを啓蒙してほしい。今大会、ケイスケ・ホンダ解説に魅せられた松木安太郎研究家より。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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