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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
中村憲剛「三笘薫の起用法は悩みます…」運命のスペイン戦、攻略のカギは“ブスケッツを消す”こと「システムは4-2-3-1を推したい」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2022/11/30 17:05
バルセロナでの同僚ガビ、ペドリとスペイン代表の中盤を構成するセルヒオ・ブスケッツ。34歳となった現在もボール支配の要として君臨している
ドイツのスペイン対策がヒントになる
日本のシステムについては、いくつかの選択肢があります。
たとえば、3-4-2-1のシステムにして、守備の局面では5-4-1で対応するとします。4-3-3のスペインは選手が5レーンに立つので、一見するとハメやすいかもしれません。ただ、日本の配置を見たスペインは、左インサイドハーフを基本ポジションとするペドリが、日本のCBの立ち位置を見て下がることでマークをズラす動きを始めるでしょう。さらにもうひとりのインサイドハーフのガビがウイングバックの背後──CBの外側でもあります──へフリーランニングをして、日本の守備陣を押し下げる動きをしてきたりもします。
日本からすると、ボールを奪い返す位置が下がります。奪う位置が低くなれば、スペインもドイツのように即時奪回にくる。そこで引っ掛かると、ドイツ戦の前半の二の舞です。日本が望む試合展開からは遠くなります。
そうした想定に立つと、まずは4-2-3-1で臨むのがいいのでは、と思います。ドイツのスペイン対策が、ヒントになるのでは、と。
森保一監督がテーマとしている「いい守備からいい攻撃へつなげる」ことを考えると、守備時は4-2-3-1で、ブスケッツに見張りを立てて前線から規制をかけていく。ドイツ対スペイン戦を見た選手たちには、イメージしやすいのではないでしょうか。
スペインはプレッシャーを受けても、よほどのことがない限り日本DF陣の背後へ蹴り出しません。一発で簡単に引っ繰り返されることはないと思います。
3ラインをコンパクトに保ち、選手同士の距離も密にすることを心掛けながら、前線の選手がスイッチを入れたら全員が連動する。メリハリのあるプレスで、スペインに規制をかけていきたい。
スタメンで出場するアタッカー陣は、チームの狙いを体現するためにもタフにハードワークをしなければなりません。5人の交代枠を最大限に生かしてチームとしての運動量を確保し、スペインからできるだけ長く自由を奪う。そのうえで、カウンターで仕留めるイメージをチーム全体で共有してほしいのです。
三笘薫の起用法に“最適解”はあるのか
コスタリカ戦の結果と内容を受けて、三笘薫のスタメン起用を求める声が高まっていると感じます。前2試合のパフォーマンスが、彼への期待を膨らませるものだったのは間違いありません。僕自身も同じです。