だからこそ、悩みます。途中出場よりも先発のほうが、ボールに関われる時間は長くなる。ただ、スペイン戦ではボールを追いかける時間も長くなると予想されます。スタメンの選手は守備に追われる可能性が高く、そのなかで森保監督が交代選手を含めてどのようなゲームプランを立てるのかが大きなポイントになります。

　0対0の時間をできるだけ長くして後半勝負なら、ここぞという局面で三笘を投入したい。その場合も、できるだけ高い位置、ペナルティエリアに近い位置で仕掛けさせるために、4-2-3-1を推したいのです。

　3-4-2-1のウイングバックで出場すると、パスを受ける位置はウイングやサイドハーフより低くなります。だた、システムの噛み合わせによっては、コスタリカ戦のように常にマークされている状況にはなりません。ドイツ戦のように噛み合わないことで、三笘に数秒でも選択肢が増える時間ができるかもしれません。そこから仕掛けるのも、状況に応じてはありだと思います。いずれにせよ、彼をどのタイミングで、どのポジションで使うのかは、この2試合を見ても大きなポイントになることは間違いありません。

三笘薫はドイツ戦、コスタリカ戦と2試合続けて「3-4-2-1」の左ウイングバックとして起用された　©Takuya Kaneko/JMPA

　グループステージの最終戦は、2試合が同時刻開催となります。コスタリカ対ドイツの試合展開もチェックしながら、必要な手を打っていかなければなりません。刻一刻と状況が変わるなかで、森保監督の試合中のマネジメントも非常に繊細になっていくはずです。

スペイン戦は「これからの日本サッカーを占う一戦」

　スペイン戦はいま現在の日本サッカーだけではなく、これからの日本サッカーを占う一戦です。

　ケガ人の状況は気になりますし、ケガをしていない選手も疲労感はかなりあるでしょう。それでも、この一戦にすべてを注いでほしい。グループステージ突破を懸けてスペインと戦えるのは、本当に凄いことです。

コスタリカ戦で右膝を痛めた遠藤航。別メニュー調整が続いており、スペイン戦の出場は厳しくなった　©Kaoru Watanabe/JMPA

　スペインは強いでしょう。しかし、サッカーに不可能はないことを、僕らはドイツ戦で見せてもらいました。とにかくいまできる最高の準備をして、悔いのない戦いをしてほしい。

　そして……ドイツ戦と同じように、死力を尽くした先の勝利、そしてグループステージ突破を期待しています。

　日本代表を応援しているみなさんの声は、必ず選手たちに届いています！　みんなでいま一度、熱いエールを送りましょう！

　頑張れ、日本代表！

＜前編から続く＞

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