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「カウンターで何か起こりそうだな」“控え組”浅野、南野、堂安が抱いていた“逆転の発想”「ふざけんなよ」「…無視してやってきてよかった」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2022/11/27 11:02

「カウンターで何か起こりそうだな」“控え組”浅野、南野、堂安が抱いていた“逆転の発想”「ふざけんなよ」「…無視してやってきてよかった」<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

前半、ベンチで戦況を見つめた堂安律、浅野拓磨、南野拓実。それぞれに苦悩の時期と逆襲に燃える思考法があった

堂安が変えた“集中”の仕方

 そこで堂安の気持ちを落ち着かせたのは、1年目のPSVでの経験だった。「最悪のシーズン」と語った1年目は結果を出そうと考え過ぎ、集中力が散漫になって結果を出せずに終わった。その経験を活かしてフライブルクでは目の前の1試合、1試合に集中しようを決めた。その意識で取り組むことで自分のフォームを取り戻していった結果、6月ブラジルとの親善マッチを戦う日本代表に招集された。

「6月の試合に呼ばれた時は、かなり調子もよくて、精神的にも落ち着いてプレーができた。その感覚を持ちながら9月の欧州遠征、そして今回のW杯に臨んでいます。その流れで今は、すごく落ち着いてプレー出来ています」

 ドイツ戦も落ち着いて、全体をよく見てプレーしていた。得点シーンでは、こぼれてくると直感し、GKノイヤーの正面に位置取り、見事、クリアボールに反応して、左足で決めた。

僕は、ゴール前で仕事をするタイプ

「僕は、ゴール前で仕事をするタイプ。繋ぎの部分で仕事するタイプではなく、そこは(鎌田)大地君がやってくれましたし、サイドの幅は(三笘)薫君と(伊東)純也君が取ってくれた。そこに僕と(南野)拓実君がいることで、ボックス内で仕事ができる人が増えた。それがゴールにつながったし、その後も2、3回ボックスに入って行けるシーンが作れたのは戦術面での変化という意味でも大きかったです」

 堂安のいう戦術面の変化は、それまでまるで見たことがないような超攻撃的な布陣だった。堂安が入ることで伊東が右のアウトサイドに入り、南野が入ることで三笘が左のアウトサイドに入った。両翼が伊東、三笘になり、攻めるしかない布陣が整った。

南野「試合に出た時に結果を出すだけ」

 その時、右シャドーに入ったのが南野だった。

【次ページ】 あそこでフカしていたら何もならない

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