話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
「カウンターで何か起こりそうだな」“控え組”浅野、南野、堂安が抱いていた“逆転の発想”「ふざけんなよ」「…無視してやってきてよかった」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2022/11/27 11:02
前半、ベンチで戦況を見つめた堂安律、浅野拓磨、南野拓実。それぞれに苦悩の時期と逆襲に燃える思考法があった
選手である以上、プレーの出来不出来で少なからず批判が出るのは致し方のないことだ。それでもあえて批判に対する声に自分の考えをぶつけたところからは、浅野のこのW杯に対する強い思いが感じられた。
3人ともカタールにたどりつくまでは、ある意味、厳しく、辛い壁をいくつも乗り越えてきた。同じ環境を乗り越えてきたからこそ、お互いのことを理解することができる。ドイツ戦のベンチで、3人が並んで試合を見ていたのは、決して偶然ではなかったはずだ。同じ想いを漂わす何かをお互いに感じ取っていたからこその並びだったのではないか。
ここで俺たちが何かを示すんだ
「カウンターで何か起こりそうだな」
3人で試合を見ながら、そのイメージを共有してピッチに入った。
「ここで俺たちが何かを示すんだという強い気持ちがあってピッチに入っている。それをゴールという形で試合で示すことができてよかった」
南野の言葉は、3人の共通の思いであろう。「何クソ」と顔が見えない批判への反骨を糧に彼らは衝撃のゴールを生んだ。
彼らの強い思いがこもったプレーは、これからも続いていく――。
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