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「コスタリカ戦に危険が潜んでいる」日本を賞賛したドイツ人記者が警鐘を鳴らすのはなぜ?「堂安と南野は先発させるべき」 

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マークス・バーク

マークス・バークMarcus Bark

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photograph byKiichi Matsumoto/JMPA

posted2022/11/26 11:05

「コスタリカ戦に危険が潜んでいる」日本を賞賛したドイツ人記者が警鐘を鳴らすのはなぜ?「堂安と南野は先発させるべき」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

ドイツメディアの多くは堂安律のベンチスタートに驚いたという。次戦コスタリカ戦もキーマンになると予想した

 ドイツ代表チームは、日本が良い相手であることをわかってはいた。それはオフレコの話の中でもいつも主張していたことだ。もしかするとドイツは、最初の70分までの試合展開で目が眩んでしまったのかもしれない。つまり、勝てると確信していた。

 さらに追加点を決めるチャンスはあった。しかし、これらのチャンスを生かせるかどうかも、クオリティーの問題である。ドイツの攻撃は十分に見応えのあるものだったが、ワントップに入ったカイ・ハフェルツも、トーマス・ミュラーも、シュートどころかアシストもできなかったことは、考えものである。

 フリックは後半の真ん中くらいに、それからやってくる転機に備えて反応することもできただろう。たとえば、浅野拓磨に競り負けたニコ・シュロッターベックを下げるとか……。圧力がかかるとひどいミスをすることは、最近のドルトムントでのプレーでも見てとれた。だから彼を最後まで起用し続けたことに疑問を感じる。

 またニクラス・ジューレは右サイドバックでパフォーマンスがぐっと落ちた。しかしそれは森保監督の選手交代によるものだ。特に75分に南野拓実が入ってきてからは、体が大きく、回転の際の動きが重たいジューレに問題を与えた。そして、それに対してもフリックが何も反応しなかったのが、私には最後まで理解できない。この試合に関しては、後手に回ってしまった。

GK権田の言葉にとても感心している

 日本にも疑問点はあった。たとえば前半に左サイドバックのラウムに何度もダイアゴナルのボールが入っていた。そこに森保監督がなぜ反応しないのかも理解できなかったのである。それでドイツにペナルティーキックを与えてしまったし、GK権田修一もラウムとの1対1ではもっとうまく対応すべきだったと思う。

 ただ、だからこそ後半になって権田のパフォーマンスが良くなり、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたことに私は感銘を受けた。そして試合後の記者会見で彼が「日本は準々決勝まで行くのが目標で、これは最初の一歩」と言ったことにとても感心している。

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