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「ミトマの英語は頼もしい」米記者が絶賛…なぜ“三笘薫の現地動画”に驚いた? 「細かいミスはあるが…」「堪能さよりも『何を話すか』」
 

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田中仰

田中仰Aogu Tanaka

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posted2022/11/25 06:00

「ミトマの英語は頼もしい」米記者が絶賛…なぜ“三笘薫の現地動画”に驚いた? 「細かいミスはあるが…」「堪能さよりも『何を話すか』」<Number Web> photograph by JMPA

「ミトマの英語は素晴らしい」。三笘薫が英語で取材対応する姿に、アメリカ人記者が感銘を受けた理由とは

ダン もちろん、細かいミスはあります。その日のプレーの感想を求める質問に対して「タフな試合だったけど私たちはよく戦えた」と応えていますよね。その際、'We could do very well'と応えていますが、より正確な文法で伝えるなら'We were able to do well'になると思います。でも、彼が言いたいことは十分に伝わった。完璧じゃなくていいんです。

――そう考えると、通訳を伴って応えれば、より自分の意図を伝えられる気もしますが。

ダン もちろん、通訳と一緒に取材対応することも否定しません。ただ、通訳や翻訳を経るとどうしても“意訳”が入ります。以前、Jリーグのクラブに所属している外国人監督や選手の取材に行った際、そこには通訳がいました。私は日本語を話せるので通訳のコメントも理解したのですが、「監督が言っていたことと少し違うな……」と感じたんです。

 もっとわかりやすい例でいえば、映画館でアメリカのコメディを日本語字幕で見たとします。だけど文字数の制限がある字幕では、なぜ面白いのかわからないことがありますよね。このように、言葉を違った言語に変換する際、コメントの意図が単純化される傾向にあります。ある意味仕方ない面もあるのですが。

昔は「移籍後に言語を学ぶ」。しかし今は…

――その意味でも、ひとりで受け答えしていた三笘選手が「頼もしい」と感じたわけですね。ダンさんはツイートで、「2010年代は言葉の問題からコミュニケーションで苦戦する選手が多かった」とも言っていました。総じて若いサッカー選手の語学力は上がっているのでしょうか。

ダン 上がっていると思います。たとえばバイエルン・ミュンヘンでプレーしていた頃の宇佐美貴史選手は、ドイツ語を話せればもっと活躍できたかもしれません。ドイツ語はものすごく難しいので簡単には言えませんが(笑)。その点、10年前と比べて「語学の勉強を本格的に始める時期」が早くなったと思います。昔は移籍してから集中的に学ぶ、という選手が少なくなかったと聞くので。

 三笘選手に話を戻すと、彼は川崎フロンターレのユースで育ちながら、そのままプロへ昇格することを断って、大学(筑波大)に進学していますよね。その4年間も大きかったのではないかと思います。

「語学堪能」な日本のサッカー選手は誰?

――海外で長く活躍する川島永嗣選手、長谷部誠選手を見て、コミュニケーションの重要性を学んだ若い選手も多いのかもしれませんね。

【次ページ】 「指導者層も英語を学ぶべき」理由

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