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“古橋亨梧と旗手怜央W杯落選”に英国記者びっくり「クラブ内序列ではキョウゴが…」 監督は「レオは“日本だと若すぎる”のかも」
text by
アレックス・オヘンリーAlex O’Henley
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/11/17 17:03
古橋亨梧(左)と旗手怜央はW杯メンバー落選となったが、所属するセルティックでは主力として奮闘している
日本代表の森保一監督の目には、おそらく彼にしか見えない何かがあり、その決断を下したのだろう。その最たるものは前田のスプリントとプレスの能力だと言われているようだが、最前線のストライカーに決定力よりもそうしたものを求めるのは、果たして得策だろうか。
ポステコグルー監督が絶賛した旗手の成長ぶり
古橋と前田がクラブレベル最高の舞台で苦しんだ一方、旗手怜央は鮮烈な印象を残した。
グループステージの全試合に先発し、第2節のシャフタール・ドネツク戦では中盤から猛烈に駆け上がって左からの折り返しに合わせて先制点を決めている(のちにオウンゴールと判定されたが、旗手のゴールで問題なかったはず)。
また第3節のライプツィヒ戦で主将のカラム・マクレガーが負傷離脱してからは、より低い位置で全体のバランスを保った。
「カル(マクレガー)の離脱によって、チームには大きな穴が開くところだった」とアンジェ・ポステコグルー監督はセルティックがチャンピオンズリーグから敗退した後に話した。
「だが(旗手)レオたちがそこを埋め、フットボーラーとしてさらに成長した。レオはまだ24歳で、プロになって2、3年しか経っていないので、今後が実に楽しみだ。彼は欧州とスコットランドのフットボールと生活にうまく適応している。固い決意と大きな野心を持った若者だ」
11月12日に行われたロス・カウンティとの直近のリーグ戦でも、旗手は重要な働きを見せている。ホームで先制された後、旗手はボックス内から二度アシストをして、逆転勝利の立役者となったのだ。どちらも密集した狭いエリアで、巧みな判断と技術によって、突破口を開いた形だった。
「外からだと簡単に見えるかもしれないが、実際はスペースを見つけるのが難しかったはずだ。高いクオリティーがなければ、実現しなかった二つのゴールだ」とポステコグルー監督は旗手のふたつのアシストを振り返った。
「レオにはそのクオリティーがある」
「日本代表の伝統からすると、レオは…」
前田が日本代表の一員としてカタールに入った今、旗手と古橋はセルティックのメンバーとしてオーストラリアに遠征している。
森保監督は自身の選考基準のひとつに、「W杯で成功したいと燃えるような野望」を持つ選手を挙げている。その意味では、旗手ほどふさわしい選手もいなかったように思える。彼はスキルと才能に加え、情熱をたぎらせてプレーする選手だ。