プロ野球亭日乗BACK NUMBER
5回からクローザー登板もあり? WBC侍ジャパンで栗山監督に採用してほしいオリックス方式の必勝法とは…大谷翔平のリリーフ起用も
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/11/13 11:20
侍ジャパンに初招集されたオリックス山﨑颯一郎。巨人との強化試合では8回から2イニングを無失点に抑えた
リリーフ登板はリリーバーの仕事であり、代表チームでも専門職を起用する。むしろその方が個々の投手が力を発揮しやすい環境を作れるという考えだ。もう1つの利点としては“第2先発”のように回の頭から起用することにこだわらずに、リリーフシチュエーションで臨機応変に投手交代ができる。
オリックス方式での投手起用を
一方、日本ではリリーフへの適正ではなく、先発から外れた投手が中継ぎに回るという考えが長く支配してきていた。しかしいまは中継ぎの重要性が認められて、特に7回以降をきちっと専門職で固める投手構成が一般的になってきている。いまの日本球界にはクローザーやセットアッパーに力のある投手がひしめいているし、だからこそ、その人材を代表に活用しない手はないのではないかということだ。
今回招集された大勢や湯浅、山﨑に加えておそらく本番では東京五輪で代表のクローザーを務めた広島の栗林良吏投手の招集は確実だろう。
彼らだけでなく例えば日本シリーズで名を売った宇田川やDeNAの伊勢大夢投手、西武の平良海馬投手や楽天の松井裕樹投手ら、自チームでセットアッパーやクローザーを務めている投手は、リリーフ慣れしているし、回の途中から走者を置いた場面での登板経験もある。
むしろこういう投手を多めにベンチに入れた方が、早め早めのオリックス方式での投手起用という選択肢が生まれるはずなのである。
しかもリリーバーの特長は、走者を置いた場面で三振を取るために、それぞれが空振りをとれる落ちるボールを持っているということだ。
宇田川はWBC向きの投手?
第4回大会に出場したソフトバンクの千賀滉大投手は「同じスポーツだけど野球とベースボールは別もの」とWBCの難しさを語っていた。その中で自身が有効だと思ったのがフォーシームとスプリットのコンビネーションだという。
動くボールがメインのメジャーでは、逆に打者はほとんど動かずにポイントを近くにおいてボールを引きつけて打つ。そこで高めのフォーシームには詰まったりファウルになることが多く、スプリットを前で捌かれて安打にされることが少ない。だとすればこの2つの球種を武器にする宇田川や伊勢は、まさにメジャー向き、WBC向きの投手ということになるはずなのである。