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「チームをどれだけ愛しているのか、そこが大切」ラグビー日本代表が新スローガン“OUR TEAM”に込める想いとは?
posted2022/10/05 17:00
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Yoshio Tsunoda/AFLO
10月1日、秩父宮ラグビー場のスタンドはほぼ埋まっていた。公式入場者数は「1万9729人」。多くのファンが、ラグビー日本代表の試合に飢えていた。
この日行われたのは「ジャパンXV対オーストラリアA」。ラグビーではサッカーと異なり「A代表」はフル代表に次ぐセカンドチームに使用される。一方の「XV」は多くの場合、フル代表と同じ陣容ながら相手がフル代表ではないときなどに使用される名称だ。
オーストラリアAは、前週までザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4カ国対抗戦)を戦っていたワラビーズのスコッドを抜いた構成だったが、キャップ保持者11人を含むメンバーで来日。当落線上の選手にとっては、来年のW杯メンバー入りへ最後のアピールチャンスなのだ。
対するジャパンXVは、9月4日から約4週間、別府と宮崎で合宿を重ねてきた。当初、招集された代表候補は52人。そこには、しばらく代表活動から遠ざかっていた松島幸太朗も含まれていた。
「人生で一番キツい練習」絞り込まれた41人
合宿では連日インターバルが極端に少ない強度の高い練習メニューが組まれ、「人生で一番キツい練習」と多くの選手が口を揃えたほど。52人だった日本代表候補は、負傷離脱者に伴う追加招集者を出しながら練習を重ね、23日に41人に絞り込まれた。そこには日本代表の顔ともいえるリーチ マイケルや姫野和樹、稲垣啓太から期待の若手ワーナー・ディアンズ、李承信らが名を連ねた。ノンキャップの数人もリーグワンで活躍して実力を証明した選手ばかり。サプライズ招集はいない。チーム名は「XV」だが、まがう事なき日本代表である。
試合を前に坂手淳史主将は「僕たちはテストマッチのつもりで臨みます。試合に向けたスケジュールもテストマッチと同じように過ごしてきました」と言った。