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Jをめぐる冒険BACK NUMBER
鎌田大地「戦術練習やミーティングが以前と…」長友佑都「より繊細に詰めていける」 日本代表、変貌の背景に“2つの要素”と悲劇の教訓
posted2022/09/24 20:00
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Kiichi Matsumoto
カタールW杯に向けたチームづくりは、すでに細部にも着手されている。
1-0と日本のリードで迎えた後半33分、堂安律の右コーナーキックがアメリカ代表のGKにキャッチされると、町野修斗がGKの前に立ち、吉田麻也もさりげなくGKに体を寄せた。
素早くスローされ、カウンターを食らわないためだ。
「長谷部さんにアドバイスを請うようなことも」
思い起こすのは、“ロストフの悲劇”と呼ばれる18年ロシアW杯のラウンド16、ベルギー戦の決勝ゴールのシーンである。当事者の吉田が語る。
「このチームの監督は“ドーハの悲劇”を経験している人で、W杯に3回出ている(長友)佑都くんや(川島)永嗣さんもいて、いろいろな経験や失敗を糧にここまで来ているチーム。みんなで力を合わせてやっていて、(前キャプテンの)長谷部(誠)さんにも来てもらってアドバイスを請うようなこともしている。それは日本全員で、総力で戦おうということ。
ベルギー戦の反省を生かすのは当たり前だし、ベルギー戦だけじゃなくて、ブラジルW杯など過去の大会で起きたことを経験値として伝えて、こういうことが起こり得る、そうならないようにしよう、そうなったらこうしよう、ということを事前に準備している段階。勝負を決めるのはああいうディテールだと思うので、そこを詰めていかなければいけない」
大きな変貌を象徴する4-2-3-1の再トライ
カタールW杯まであと2カ月、残されたゲームは3試合――。
その初戦であるアメリカ戦が9月23日に行われ、日本は鎌田大地と三笘薫のゴールで2-0と勝利した。シュート数は16対4、決定機数も8対1と、数字を見れば完勝だった。
6月シリーズでブラジル、チュニジアに敗れたチームは、ここに来て大きな変貌を遂げ始めている。
分かりやすい変化で言えば、まず形。アジア最終予選を勝ち抜いた4-3-3ではなく、4-2-3-1に再びトライしたのだ。