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プロ野球ファンに異変…パ・リーグ大混戦でも“球場観戦に行かない”、なぜ? 球団広報のため息「訴求してはいるものの…」《客足回復のカギとは》 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byJIJI PRESS

posted2022/09/08 11:01

プロ野球ファンに異変…パ・リーグ大混戦でも“球場観戦に行かない”、なぜ? 球団広報のため息「訴求してはいるものの…」《客足回復のカギとは》<Number Web> photograph by JIJI PRESS

プロ野球は今季、3年ぶりに観客の人数制限を設けていない。しかし客入りは「コロナ以前」に戻っていない

「球場観戦の楽しさを訴求してはいるものの、結果に結びついていないと感じています」

 終盤戦を迎え、福岡では地上波テレビ局に球団がCMを流している。広報チームとしても「選手やチームを報じていただくのはもちろん、様々な角度からホークスの魅力を伝えられるように球場売り子さんへの密着や球団ビジネスの裏側紹介などの企画を提案するなどして、取材に来ていただきました」と努力もした。

 ただ、やはり新型コロナウイルスの感染状況が落ち着かない中で、満員の球場観戦が安心・安全であるとは考えにくく、もう少し様子を見てから判断するという野球ファンも少なくないのだろう。さらに、エンタメ産業への逆風として物価高による家計の圧迫もある。

 そんな状況下で球場に来たとしても……コロナ対策のために「声出し応援」が制限されており、プロ野球観戦の醍醐味である一体感や熱量を味わえないため、テレビやインターネットでの観戦を選ぶファンも多いはずだ。もしかしたら、気兼ねなく球場で大声援を飛ばせるようになり、あの「ライブ感」が戻ってくることが客足を回復するためのキーポイントなのかもしれない。だが、その見通しはなかなか立たないのが現状だ。

12球団共通の課題…記録的なシーズンなのに

 この“不入り問題”はソフトバンクに限ったことではなく、12球団共通の悩みである。

 3年前と今シーズンの1試合平均動員の比較は次の通りだ(左が2019年シーズン、右が2022年の9月5日時点)。

【パ・リーグ】

日本ハム   27,368人→16,386人(-10,982)
西武     25,299人→15,882人(-9,417)
楽天     25,659人→18,858人(-6,801)
ソフトバンク 36,891人→30,849人(-6,042)
オリックス  24,423人→19,191人(-5,232)
ロッテ    23,463人→20,664人(-2,799)

【セ・リーグ】

巨人   42,643人→31,531人(-11,112)
DeNA  31,716人→24,138人(-7,578)
中日   31,741人→24,902人(-6,839)
阪神   42,935人→36,214人(-6,721)
ヤクルト 27,543人→21,751人(-5,792)
広島   31,319人→27,958人(-3,361)

 今年のプロ野球は歴史的なシーズンと言っていい。完全試合やノーヒットノーランの快記録が次々誕生し、ヤクルト・村上宗隆によって球史に残る本塁打記録も生まれようとしている。

 こんなにドラマチックな一年は滅多にお目にかかれない――。それだけに、ライターという立場でプロ野球にかかわる身としてはもどかしくもあり、何とも難しい問題だと痛感させられるのだ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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