サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ベトナム戦で浮上したW杯本大会への“不安材料”とは? 快勝オーストラリア戦のウラで見過ごされていた「森保ジャパンの大きな課題」
posted2022/03/30 17:01
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
こういう試合をしてはいけない。
3月29日に行なわれたカタールW杯アジア最終予選のベトナム戦で、日本は勝利をつかむことができなかった。1対1の引き分けに終わった。
24日のオーストラリア戦で、すでにW杯出場を決めている。勝つことで何かを得られる試合ではなかった。負けると何かを失ってしまう試合でもなかった。それでも、試合前の森保一監督は「消化試合にはしない」とはっきりと話していた。「ホームで勝ってグループ首位で終わらせる」と、これまでと変わらないスタンスを強調していたのだが、試合終了を告げるホイッスルは歓喜を運ぶものにはならなかった。
ベトナムはここまで1勝8敗で、グループ最下位に沈んでいる。格下とのホームゲームという構図だが、日本はメンバーを大幅に入れ替えている。簡単な試合にならないのは想定できた。
W杯本大会では絶対に避けたい不用意な失点
それにしても、である。
キックオフからリズムをつかめなかった。ベトナムのハイプレスをなかなか剥がせず、テンポ良くパスをつなぐことができない。敵陣へボールを運ぶことができても、5-4-1のシステムでセットする相手を崩せない。攻撃が三笘薫のドリブル突破頼みになる。いい守備からいい攻撃をしているのは日本ではなくベトナムで、20分にCKから先制点を奪われてしまった。
今回の最終予選で、日本の支えとなったのは守備である。昨年11月のベトナム戦から予選突破を決めたオーストラリア戦まで、5試合連続でクリーンシートを達成した。複数得点をなかなか記録できないなかでも勝ち点を積み上げていけたのは、不用意な失点を許さなかったからだ。
W杯本大会でも、同じことが言える。グループステージは3試合で順位を決めるのだ。ひとつの試合の結果が重みを増す。追いかける展開は避けたい。