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「今年は特にレベルが高かった」春高バレーで『ハイキュー!!』世代の高校生が見せた2つの“アップデート”と“大人たちの課題”とは?

posted2022/01/11 06:00

 
「今年は特にレベルが高かった」春高バレーで『ハイキュー!!』世代の高校生が見せた2つの“アップデート”と“大人たちの課題”とは?<Number Web> photograph by AFLO SPORT

初出場の日南振徳高校でエースを務めた甲斐優斗。2mの高さを武器に、巧みにスパイクを打ち分けた

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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1月9日、全日本バレーボール高校選手権大会「春高バレー」が幕を閉じた。男子は日本航空高校(山梨)が鎮西高校(熊本)をセットカウント3-2で破り、大会初優勝を達成。女子は王者・就実高校(岡山)が古川学園(宮城)を3-1で退けて連覇を成し遂げた。5日間にわたる激闘で見えた変化と課題とは?

 大会初出場で4強進出を果たした日南振徳(宮崎)の鍋倉雄次郎監督(63歳)は、鎮西との準決勝に敗れた後、チームの躍進の原動力となった2mのエース甲斐優斗(まさと/3年)の活躍に目を細めた。

「彼が持っているポテンシャルが、少しずつ花が開き出したんじゃないかな、と思いますね。大学や、上のカテゴリーで大事に1つ1つ我慢しながら経験させていただければ、将来的には日本の宝になるんじゃないかな、と思います」

 鍋倉監督は、かつて3月開催だった2009年大会で都城工(宮崎)を率いて優勝を成し遂げた経験を持つ。当時を今と「比べる対象ではない」と言いながらも、久しぶりの春高で感じた変化を口にした。

「今年は特に、レベルが高い。いろんな意味でレベルアップしていると思いますね」

 男子は日本航空が初制覇、女子は就実が連覇を達成した今大会において、特に男子の戦いはハイレベルなものだった。

1回戦から目の当たりにしたサーブ力の向上

 まず、注目したいのは「サーブ力」が格段に上がったこと。確かにこれまでも3回戦以降になれば明確な意図を持ったサーブ戦術をごく当たり前にやってのける高校は多かった。だが今大会は、ほぼすべてのチームと言っていいほど、1回戦から打ちたい場所を狙い、しっかりボールを叩いて打つサーブが目立った。

 実際に、シード校を破る“波乱”を起こした高校の多くはサーブがポイントになっていた。「強者に勝つならサーブで攻めるしかない」とハードヒットしたサーブで守備を崩し、勢いそのままに主導権を握っていった。

 もう1つ、驚かされたのが「選手のコメント力」だ。

【次ページ】 「気持ちで負けた」だけで終わらない反省

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