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「ディープインパクト最後の産駒」は24頭、1200万円コントレイルの種付け料を上回るのは… 今後の種牡馬トレンドはどうなる?
posted2022/01/05 17:02
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph by
Tomohiko Hayashi
2019年の種付けシーズン途中に体調を崩し、懸命の治療も実ることなくこの世を去ったディープインパクト(02年生まれ、父サンデーサイレンス)。残された産駒がいつも通りに活躍して、21年もぶっちぎりのリーディング。12年から、10年連続で日本のリーディングサイヤーの座に君臨することになった。
20年に生まれた数少ない産駒(種付けは24頭と発表されている)が、いよいよこの22年に競走年齢に達し、それが名残惜しいラストクロップになる。今後は徐々に子供たちの数が減ることで首位を維持するのが難しくなるだろうが、古馬たちの層の厚さでしばらくの間は上位にいるのだろう。それほどの大種牡馬だった。
キングカメハメハ、ハーツクライも人気だった
10年、11年と、2年連続でリーディングサイヤーに輝いたのがキングカメハメハ(01年生まれ、父キングマンボ)。11年はディープインパクトを2位におさえる堂々の首位で、入れ替わりを許したあとも7年連続で2位を死守した。
しかし、この馬もディープの後を追うように19年に死去。その年頭から体調不良に陥っていたため、結果的には18年の種付けが最終世代となった。その数も73頭の種付けに制限されており、そのことが19年生まれの産駒たちが21年の2歳戦では例年のように目立てなかった理由のひとつだったのかもしれない。リーディング順位は5位だった。
ハーツクライ(01年生まれ、父サンデーサイレンス)も、前記2強と同じ時代でなければ首位をうかがえるぐらいの力があった人気種牡馬だった。21年も立派な3位だったが、20年に71頭に種付けしたことを区切りとして種牡馬を引退した。
それでも、最後のシーズンでキャリアハイの種付け料1000万円に達したのが、現役時代同様の成長力の凄さ。21年は朝日杯フューチュリティSの覇者ドウデュースが出て存在感を示した。残り2世代から大物を出す可能性も十分あると見られている。
ドゥラメンテの急逝は本当に惜しかった
ドゥラメンテ(12年生まれ、父キングカメハメハ)は、21年の種付けシーズン終了後に9歳という若さで急逝してしまった。
キングカメハメハ、サンデーサイレンス、トニービンという、近代日本競馬の血脈の礎を築いた名種牡馬の血を全部持った期待のダービー馬だったが、17年から21年までの5世代しか残せなかった。21年の全体順位は11位だが、2歳戦だけに限れば、ディープインパクト33勝、ドレフォン30勝に次ぐ29勝をあげての3位。さあこれから、というときだっただけに本当に惜しい。