競馬PRESSBACK NUMBER
「ディープインパクト最後の産駒」は24頭、1200万円コントレイルの種付け料を上回るのは… 今後の種牡馬トレンドはどうなる?
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byTomohiko Hayashi
posted2022/01/05 17:02
最強馬であり名種牡馬でもあったディープインパクト。最後の産駒が2022年にデビューする
21年は9位に頑張ったダイワメジャー(01年生まれ、父サンデーサイレンス)も、明らかに晩年を迎えている。22年も現役続行だが、種付け料については昨年に引き続いてのprivate表記。体調のいいときにボチボチという意味合いが強いもので、種付けは関係者のみのごく少数に限られていると考えていい。
2歳戦の種牡馬勝利数は、筆者の個人的な集計によるものだが――前記した通り、33勝のディープインパクトに迫ったのは新種牡馬ドレフォン(13年生まれ、父ジオポンティ)の30勝である。以下、このようになる。
ベスト10はドゥラメンテ29勝、ロードカナロア28勝、エピファネイア26勝、キズナ21勝、モーリス21勝、シニスターミニスター19勝、ハービンジャー18勝、ヘニーヒューズ18勝。
続くのがシルバーステート17勝、ダイワメジャー17勝、イスラボニータ16勝、ハーツクライ15勝、リオンディーズ14勝、キタサンブラック13勝。
ここまでが19年生まれの産駒が10勝以上をあげた種牡馬だ。今年のクラシック戦線に絡んでくる可能性は極めて高い。
エピファネイア、ロードカナロアの種付け料は?
巨星がまとめて去ったタイミングで、コントレイル(17年生まれ、父ディープインパクト)が父の後継種牡馬として名乗りをあげ、その種付け料は1200万円。しかし、その上には1800万円のエピファネイア(10年生まれ、父シンボリクリスエス)、1500万円のロードカナロア(08年生まれ、父キングカメハメハ)がいて、並ぶ1200万円にはキズナ(10年生まれ、父ディープインパクト)が牙を研いでいる。
この4頭が当面は日本の血統の柱を争うのだろうが、どれがディープインパクトの時代を継承するかはまだ誰にもわからない。
ひとつ特筆しておきたいのは、外国産馬が2歳戦で29勝もあげていることだ。内訳は英国産4勝、愛国産1勝に対して、米国産が24勝。これは無視できない新しい傾向で、これまで欧州に偏向していた日本のバイヤーの目が米国の市場に向くきっかけになる可能性もある。
ちなみに、森秀行調教師は2歳戦で全体の6位にあたる10勝をあげたが、その10勝はすべて米国産馬によるもの。「世界の市場を比較しても、いまは米国産が一番安い。スピード豊かで能力が高い馬がリーズナブルに手に入ります」と、その先見を語る。話題を集めた、ウマ娘の藤田晋オーナーによる預託も、ジャングロ、デュガが2勝ずつをあげ、クロデメニルも勝ち上がらせた。森調教師が先んじて力を入れた米国産は、今後もトレンドとして定着しそうだ。