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衝撃の「22-0」青森山田はなぜ強い? 黒田監督が語る“選手権優勝”への最終段階「松木に意見を言える選手がたくさんいる」
posted2021/12/28 11:09
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
JFA/AFLO
近年の青森山田高校の強さは半端じゃない。
こと選手権において、初のベスト4入りを果たしたのが第79回大会(2000年度)。初の決勝進出はMF柴崎岳(レガネス)を擁した第88回大会(09年度)。そこから第94回大会(15年度)以降に至ってはベスト4が1回、準優勝が2回、優勝が2回という圧倒的な戦績を誇っている。初優勝は第95回大会(16年度)なのだから、頂点を知ってからわずか5年しか経っていないのだ。
さらにユース年代において、優勝することが最も難しいと言われる「高円宮杯プレミアリーグEAST」においても無類の強さを発揮し、先日、3度目の王者に輝いた(今年度は日本一を決めるファイナルは中止)。今季は夏のインターハイも制しているだけに、第100回大会という節目の選手権で「高校3冠」を狙える状況だ。
今や全国の高体連チームだけではなく、Jクラブユースまで全てが「打倒・青森山田」を掲げているが、対戦相手は青森山田を実際にどう見ているのか。4人のJリーグ内定選手を擁して選手権切符を勝ち取った静岡学園は、夏のインターハイ準決勝で0-4と完敗を喫した。
対戦相手も唸る青森山田の強さ
「青森山田を倒さないと日本一はない。夏のインターハイで差をこれでもかというほど思い知らされた。それ以降、我々はあの青森山田戦の強度を忘れずにやっている。プレスも早いし、強いし、守備も堅い。でも青森山田はそれだけじゃないんです。攻撃にスイッチが入ると、次から次へと選手が的確なポジションに上がってきて、強度の高いカウンターがあるし、当然ボールを繋ぎながら崩すこともできる。『強い』という言葉がぴったりのチームです」(川口修監督)
では、年を追うごとに厳しくなる包囲網に対し、青森山田はどのような思いでサッカーに取り組んでいるのか。就任27年目を迎える、黒田剛監督に話を聞いた。