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「必ず得るものはある」中村憲剛が語る“フレッシュでサバイバル”な代表招集の意義 国内組に期待する「ポジションを争う強い気概」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byMiki Sano / JMPA
posted2021/12/11 17:04
日本代表において安泰と思われていた酒井宏樹(右)のポジションだが、ここにきて山根視来が猛追。まったくタイプが異なる2人の右SBの起用法もウズベキスタン戦の注目ポイントのひとつだ
冨安健洋を含めれば、守備のブロックはほぼ東京五輪から試合を重ねています。五輪世代にとってはやりやすいでしょう。インサイドハーフの田中はもちろん、左SBで起用されている中山雄太や左ウイングの三笘薫も、特長を発揮することが出来ています。
代表定着のためには「明確なインパクト」を
個人的には、4-3-3へのシステム変更は「大鉈を振るう」ものだったと理解しています。最終予選のスタートが3戦2敗でしたので、森保監督の解任論争も巻き起こりました。しかし、大鉈を振るった大一番のオーストラリア戦の劇的な勝利で流れを変え、そこから巻き返して4勝2敗の2位で21年を締めた。本当に色々なことがあった1年でしたが、核となる選手がチームを支えながら、土台を崩さずに新しい選手が加わっていった。その結果として新陳代謝が促され、選手層が厚くなっていきました。
日本代表というチームでは、いついかなる時も爪痕を残すことが大切です。11月の2試合に先発した山根視来は、3月の韓国戦で代表初先発初得点を記録し、そこからコンスタントに呼ばれるようになりました。代表に定着していく選手には理由があり、インパクトを残すことは大事だなと改めて感じます。
アジア最終予選は終わっていませんが、カタールW杯の開幕まですでに1年を切っています。今回の日本代表は1試合限りのチームですが、一人ひとりがチームの勝利のためにどれぐらいギラギラして臨めるか、そして、個々で結果を残せるか。
オフ明けですからケガには十分に気をつけて、トレーニングから自分の個性を出してほしいです。「自分がポジション争いの渦の中心になるんだ」という強い気概を感じさせる選手の登場を期待しています。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。