熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「人が良すぎる。南米や欧州では絶対にやらない」交渉とは 三都主44歳が日本サッカーに苦言《ブラジルで今何してる?》
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph bySantos Soccer Academy
posted2021/11/24 17:03
ブラジルで育成クラブ運営に携わる三都主アレサンドロ。熱く語ってくれた
「今季、チームはパラナ州選手権3部に初挑戦し、1次リーグを10勝1分でベスト4入り。3部の上位2チームが昇格するので、決勝進出を果たせば、その時点で来季の2部昇格が決まる。
パラナ州1部にはアトレチコ・パラナエンセ(ブラジルリーグ1部。2001年にブラジルリーグ、2019年にコパ・ド・ブラジルを制覇)、コリチーバ(今季はブラジルリーグ2部だが、来季の1部昇格が決まっている)など国内屈指の強豪クラブがおり、将来、我々も全国レベルのクラブになれる道が開けている」
ほぼ毎日顔を出し、直接アドバイスすることも
――アカデミーでは、自分でも直接、選手に指導をしているのですか?
「コーチが10人ほどいて、それぞれにチームを受け持ってもらっている。でも、自分もほぼ毎日、アカデミーに顔を出し、練習や試合を視察している。気が付いたことがあれば、選手に直接アドバイスをすることもある」
――選手育成の理念は?
「日本では、フットボールだけでなく、礼儀、教育を重視する。その素晴らしさは、僕が身をもって味わっている。一方、ブラジルは教育面の配慮は日本ほどではないが、高いレベルのプロ選手を育てるノウハウがすごい。両方の国の良いところ取りをしたい。
地元の大学と提携していて、施設を借りたり、指導者を派遣してもらったり、選手育成の方法を共同で研究している」
日本から来た16歳がエースストライカーだ
――アカデミーを立ち上げてまだ数年ですが、これまでの成果は?
「フラメンゴ、インテルナシオナル、アトレチコ・ミネイロといったブラジルのトップクラブ、さらにはポルトガルのリオアベなどのユースチームに、7人の選手を送り込んだ。売却ではなく、選手の保有権の一部を保持していて、将来、選手が他のクラブに移籍した際に移籍金の一部を受け取る仕組み。将来有望な選手が多く、これからどんな選手になるかとても楽しみだ」
――日本から来ている選手もいると聞きました。
「16歳の杉浦響(ひびき)君。CFで、うちのU-16のエースストライカーだよ。今後、さらに日本から留学生を受け入れることも考えているし、将来的にはアカデミー出身の選手をJリーグのクラブへ送り込みたい」