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フェデラー「日本には国枝がいるじゃないか」 国枝慎吾37歳の「最強」にカッコイイ伝説〈2大会ぶり金メダルに石黒賢も号泣〉
posted2021/09/05 11:02
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Getty Images
<名言1>
日本には国枝がいるじゃないか。
(ロジャー・フェデラー/Number689号 2007年10月11日発売)
https://number.bunshun.jp/articles/-/10756
◇解説◇
車いすテニス界の絶対王者、国枝慎吾の偉大さについて語る際の“枕詞”となっているフェデラーのコメントだ。もちろん当時は錦織圭らが台頭しておらず、日本テニスが長く低迷していた頃だったことも念頭に置かなければならない。
とはいえ、国枝の実績は圧倒的だ。たとえば2007年には車いすテニスで史上初となる年間グランドスラムを達成している。特に全米オープンでは初戦から決勝までの5試合で失ったゲームがわずか7という圧倒的なプレーを見せつけたのだ。一方でその年の春、念願だった世界1位をつかみ取った国枝は一時期モチベーションが低下した時期もあったという。
「テニスが楽しくなかった。でも、自分の腕をどれだけ磨けるかを考えたら、気が楽になった」
己の力を磨ききることに集中する。スランプを乗り切るどころか、さらに実力を磨き上げていったのだ。
<名言2>
詰め切れないのは、まだやらなきゃいけないことがあるということ。
(国枝慎吾/Number806号 2012年6月21日発売)
https://number.bunshun.jp/articles/-/235374
◇解説◇
2012年2月、国枝はブログで1つの事実を公表した。右ひじの手術、そして「実はこの2年間ずっと肘が痛いなりにプレーしていた」ことだった。2010年にはシングルス100連勝という途方もない偉業を達成した国枝だが、ロンドンパラリンピックを控えるタイミングで様々な治療を試した。しかし完治には遠く、関節鏡を使った手術に踏み切った。