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五十嵐カノアと堀米雄斗“金メダルの約束”「一緒に獲りたかったけど…」 なぜ日本人の青年は世界的カリスマになれたのか?

posted2021/07/31 11:05

 
五十嵐カノアと堀米雄斗“金メダルの約束”「一緒に獲りたかったけど…」 なぜ日本人の青年は世界的カリスマになれたのか?<Number Web> photograph by JMPA

“金メダルを獲る”と約束をした堀米雄斗と五十嵐カノア。2人は、スケートボードとサーフィンを舞台に世界で活躍する若きカリスマだ

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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JMPA

 彼らの間にある特別な共感に思い至ったのはオリンピックが始まる少し前のことだった。サーフィンにおけるオリンピックの意義を聞かれた五十嵐カノアが、質問に答えてこんなことを言ったからだ。

「サーフィンとバスケットボールとスケートボードの選手、みんなが集まって試合をする。そんなすごいことができるのはオリンピックだけ。サーフィンはチームスポーツじゃないから、これまでは自分のことにしか集中していなかった。日本代表になってまずは日本代表のサーファーで力を集めてみんなで金メダルを獲ろうと。そしてオリンピックに来て、バスケットの八村選手とかスケートボードの堀米選手とかを見たら、もっと日本のために頑張ろうと思った。そこがオリンピックの面白いところでもあります」

 アメリカで活躍する日本人アスリート仲間である八村塁の名前が上がってくるのはなんとなく想像できたけれど、横乗り系のつながりもあって堀米雄斗とは数年前から親交があったのだという。

「一緒に金メダルを獲って一緒に写真を撮ろう」

 サーフィンの会場は東京から遠く離れた千葉・一宮町にあるが、五十嵐は開会式に参加した際に堀米と顔を合わせ、競技開始日が同じであると知ると「一緒に金メダルを獲って一緒に写真を撮ろう」と誓い合った。

まずは堀米が金メダル獲得、そして…

 まずは約束通りに堀米がスケートボード男子ストリートで金メダルを獲り、それから2日後、五十嵐も金メダルの目前まで迫った。世界ランキング1位のガブリエル・メディナ(ブラジル)に挑んだ準決勝では、残り10分を切ったところで驚嘆のエア・リバースを決めて逆転勝ち。決勝では同じブラジルの世界2位、イタロ・フェレイラに敗れたとはいえ、日本中に競技としてのサーフィンの魅力を存分に伝える熱戦を繰り広げた。

【次ページ】 競技を始めたきっかけは「父親」だった

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