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五十嵐カノアと堀米雄斗“金メダルの約束”「一緒に獲りたかったけど…」 なぜ日本人の青年は世界的カリスマになれたのか? 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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posted2021/07/31 11:05

五十嵐カノアと堀米雄斗“金メダルの約束”「一緒に獲りたかったけど…」 なぜ日本人の青年は世界的カリスマになれたのか?<Number Web> photograph by JMPA

“金メダルを獲る”と約束をした堀米雄斗と五十嵐カノア。2人は、スケートボードとサーフィンを舞台に世界で活躍する若きカリスマだ

 堀米が海外遠征をするようになった当時、スポンサーだったスケートボードショップ『instant』の本間章郎オーナーは「うちでは渡航費までは出せない。新しいスポンサーに変えれば渡航費まで出してもらえる。だから行ってこい」と送り出したというのだ。

 五十嵐と同日に銅メダルを獲得したサーフィン女子の都筑有夢路はメダルを獲った喜びとともに国内で競技を続ける苦労を語っていた。

「今年のオーストラリア遠征も母と2人で行っていました。でも2人では手が回らないことがたくさんあって、その分、練習時間を削らなければいけなかった。サーフィンの選手もサッカーや野球と同じくらい努力しているのに、なんでスポンサーがつかない、注目されないんだろうという思いをしてきたんです」

堀米も五十嵐も“日本人のボーダー”を越えてきた

 IOCが若年層のファン拡大を目論んで招き寄せた人気スポーツとはいえ、日本国内だけを見ればマーケットはそこまで大きくはない。長く日本にとどまっていれば環境的にも、金銭的にも頭打ちになるときがくる。それを見越した上で周囲が後押ししてくれた環境の中、五十嵐は18歳のときに史上最年少の若さで最高峰の「チャンピオンシップツアー」に参戦し、'19年には日本人として初優勝。堀米も同じように'18年にはスケートボード最高峰の「ストリートリーグ」を日本人で初めて制し、従来の“日本人のボーダー”を越えて活躍し続けてきた。

 アメリカンドリームを叶えた2人は、すでに競技に専念できる最高の環境を手に入れている。'19年のBloombergの記事では、10社以上とスポンサー契約を結ぶ五十嵐の収入は2億円を超える。堀米も同様に10社以上とスポンサー契約を結んでおり、大会の賞金も高額だ。

 国の枠を越えたグローバルスターとして今回のオリンピックを契機に、野球なら大谷翔平、テニスなら大坂なおみ、サーフィンなら五十嵐カノア、スケートボードなら堀米雄斗という風に国内でも認知されていくだろう。

日本の枠を越えたグローバルスターに

 そんな2人が今大会で抱いた感慨は不思議と一致していた。

「自分が良いサーフィンをした結果、サーフィンが世界に、メジャースポーツに少しでも近づいていたら嬉しい。(メディナとの準決勝で)エアを決めたとき『世界が見てくれるエアだ』と思った。1人でもカノアを見てサーフィンしたくなった、うれしくなったと言ってもらえれば成功。それはメダルよりも大切なこと」(五十嵐)

「五輪を通じてスケートボードの楽しさ、カッコよさを皆さんに伝えられたと思う。スケートボードはまだそんなに知られてないと思うので、スケートボードの楽しさをいろんな人たちに伝えていきたい」(堀米)

 まだもうひとつ共通点があった。堀米が寿司、五十嵐が切り餅。普段はアメリカにいるからなのか、若きカリスマたちの好物はなぜかことさら日本っぽかった。そういえば、大坂なおみもカツ丼だったような……。

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