DFラインの注目は、FC東京のバングーナガンデ佳史扶だ。対人に強く、球際にも怯むことなく飛び込むことができるサイドバック。ボールを持てばスペースを見つけ出して侵入する力があり、さらに左右両方でプレーすることができるのは大きな魅力だろう。現在はチームの分厚い選手層の前に苦しんでいるが、ブレイクスルーの時が待たれる。

　そしてこの世代で“守備の中核”を担うと予想されるのがMF松岡大起だ。今季、躍進目覚ましいサガン鳥栖ではすでに主軸を任され、特に守備面でその才を遺憾無く発揮している。予測力を生かしたスペースを埋める動きに加え、ボールを奪ってからの視野が広く、松岡がいるだけで攻守のトランジションが円滑になる。リーダーの素質も兼ね備えており、パリ五輪でキャプテンマークを託されてもおかしくない。

サガン鳥栖の主軸を任される松岡大起。金明輝監督の信頼を厚い　©J.LEAGUE

U-17W杯の2トップ＆ネクスト遠藤航

　また、忘れてはならないのが、すでに世界の舞台で才能の片鱗を見せつけた2人のアタッカーだ。

　2019年U-17W杯ブラジル大会で10番を背負ったFW西川潤は抜群のスピードと突破力に優れるストライカーで、素材的には間違いなくトップクラス。所属するセレッソ大阪では途中出場がメインとなっているが、徐々に出場機会を増やしており、覚醒が待たれる逸材だ。

　その西川とホットラインを組んだFW若月大和は早くも海を渡っている。桐生第一を卒業後に湘南に加入するも、即レンタル移籍という異例の形でスイス1部リーグのFCシオンへ移籍。直後にコロナ禍となり、慣れない異国の地で苦しい思いを味わったが、物事をポジティブに捉え、積極的に行動することで状況を打破してきた。一瞬のスピード、直線的にゴールに向かえる感覚とセンスは磨かれ、リーグ終盤にはレギュラーの座を掴んで初ゴールもマークした。

スイスリーグで出番を掴み始めた若月大和　©Getty Images

　世界ではペドリ、日本では鈴木彩艶と同世代にあたる2002年生まれでは、湘南ベルマーレMF田中聡に注目だ。174cmと上背はないが、守備センスの塊のような選手で、鋭い読みと出足の速さを持つ。球際でも卓越したボディコントロールを駆使して、攻撃のスイッチを入れることもできる。守備的なポジションならどこでもこなせるだけに、同クラブのレジェンドである遠藤航（シュツットガルト）の後継者として期待を集める。

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