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「嫉妬心」を力に…“ビースト”林大地はU-24のシンデレラボーイとなるか 野心が宿る目と強運に思い出す鈴木隆行 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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posted2021/06/11 17:03

「嫉妬心」を力に…“ビースト”林大地はU-24のシンデレラボーイとなるか 野心が宿る目と強運に思い出す鈴木隆行<Number Web> photograph by AFLO SPORT

がむしゃらに、愚直にゴールを狙う林大地。“最終試験”のジャマイカ戦で再びのアピールなるか

計画的なチーム作りだった一方で

 東京五輪代表チームは17年12月に立ち上げられて以来、計画的にチーム作りを進めてきた。

 その最たる例が、オーバーエイジの招集である。

 19年6月のコパ・アメリカには五輪代表と5人のオーバーエイジで臨み、20年10月、11月のA代表の欧州遠征では五輪代表世代を多く招集して、融合を図ってきた。

 そして満を持してこの6月、A代表の主力である吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航をオーバーエイジとして迎え入れたのだ。

 さらに、堂安、久保、上田、冨安健洋、中山雄太、板倉滉、前田大然、田中碧、相馬勇紀……と、海外経験やA代表経験、このチームでの実績、Jリーグでの活躍度によって、18人の枠は着々と埋まっている印象があるが、理詰めの選考によるメンバーだけでは、どうにも物足りない気がする。

トルシエは鈴木隆行の「目を見て、決めた」

 かつて日本代表監督だったフィリップ・トルシエが鈴木隆行をW杯1年前のコンフェデレーションズカップで追加招集し、スタメンに抜擢したとき、「彼の目を見て、決めた」と語った。

 鈴木は指揮官の期待に応えてカメルーン戦で2ゴールを奪うと、1年後の日韓W杯初戦のベルギー戦でも起死回生の同点弾を決めてみせる。

 あのときの鈴木と同じような野心の光が、林の目にも宿っているのではないか。

 林のがむしゃらで、猪突猛進なプレーには、ロジックでは説明できない何かを起こせそうな雰囲気が漂っている。

 その可能性に、森保一監督が、横内昭展コーチが懸けるかどうか――。

 このチームでの実績やJリーグにおける結果、備える武器を考えると、上田と前田は外せない。ただ、爆発的なスピードが武器の前田は、左サイドハーフとしての起用も見込めるため、3人目のFWが選出される可能性も低くない。

 本大会のメンバー発表前、最後の試合となるジャマイカ戦の先発は、おそらく上田になるはずだ。林が起用されるとすれば、スーバーサブとしての途中出場か。

 チャンスと、幸運と、ゴールと、メンバー入りと――。それらをがっちり掴み取る握力が試されている。

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