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プレミアの“ビッグ6”はもはや死語に? トッテナムとアーセナルが堕ち、光るレスターの堅調 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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posted2021/06/07 11:01

プレミアの“ビッグ6”はもはや死語に? トッテナムとアーセナルが堕ち、光るレスターの堅調<Number Web> photograph by Getty Images

タイトルから遠ざかるトッテナム。ケインも今季限りでチームを離れることに

 アヤックスとの契約を延長したエリク・テンハフを性懲りもなく狙ったり、ベルギー代表のロベルト・マルティネスや前ライプツィヒ監督のラルフ・ラングニックと接触を試みたり、リービーは新監督の招聘に忙しく動いている。

 ただ、有能なビジネスマンではあるものの、フットボールへの造詣がそれほど深くない事実を、リービー本人が認めるべきだ。過去の監督人事や補強例でも、彼の失敗は明らかである。業界に顔が利き、なおかつリスペクトされている者、あるいは独自のルートで幅広い人脈を築いた者を側近として雇用しないかぎり、トッテナムの低迷はまだまだ続く。

古巣の窮状をデニス・ベルカンプも憂えている

 アーセナルも同罪だ。直近5シーズンではFAカップを2回制しているとはいえ、プレミアリーグは5位、6位、5位、8位、8位。今シーズンは26年ぶりにヨーロッパの大会に出場する権利すら奪えなかった。

 古巣の窮状を、OBのデニス・ベルカンプも憂えている。

「野心がまったく感じられない。アーセナルらしいDNAも欠けている。クラブの構造を根本的に改めなくてはならない」

 ミケル・アルテタ監督も強化担当責任者のエドゥーも、アーセナルOBだ。DNAは浸透していると信じたい。だが、それぞれの分野での経験が不足しており、なかでもエドゥーは特定のエージェントを頼りにする傾向がある。

 ダビド・ルイスやセドリク・ソアレスなど、エージェントのキア・ジョーラブシャンが絡んだ移籍は、世界中のサポーターをがっかりさせるだけだった。

 また、アルテタやエドゥーとともに強化を担当するビナイ・ベンカテシャムCEOも、業界では認知度が低い。ベルカンプ(前出)は「各ポジションに世界水準の選手が必要だ」と積極的な補強を期待しているが、現在の上層部では至難の業だ。彼らもトッテナム同様、太い人脈を構築できていない。

 ティエリ・アンリ、パトリック・ビエラなど、ベルカンプとともに一時代を築いたレジェンドが現体制を否定。『Spotify』(音楽配信大手)に買収を働きかけ、同社の創始者でCEOでもあるダニエル・エクも関与を否定しなかった。しかし、現オーナーのスタン・クロエンケは断固として拒否したという。

「アーセナルを手放す理由がどこにあるのだ!?」

 再建の見通しは立っていない。

【次ページ】 クラブの規模ではトッテナム、アーセナルに劣るも……

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