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「ひとつの扉が閉じ、10倍大きな扉が開いた」アトレティコで円熟期のスアレスが語る闘将シメオネと盟友メッシ 

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フローラン・トルシュ

フローラン・トルシュFlorent Torchut

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posted2021/06/03 17:02

「ひとつの扉が閉じ、10倍大きな扉が開いた」アトレティコで円熟期のスアレスが語る闘将シメオネと盟友メッシ<Number Web> photograph by L’Équipe

闘争心やプレーの激しさにおいて、スアレスはシメオネ監督と共通点が多い

スアレス フィジカルに関しては23~24歳のころとは比較にならないけど、自分の能力に自信があるから15年間もトップレベルでやってこれた。

――パフォーマンスを維持する秘訣は何ですか?

スアレス 歳を取るにつれて食事に気を配るようになったし、練習や試合の前後に身体をケアするようにもなった。膝の手術をしてからは最高のパフォーマンスを維持するために、スタッフの力を借りてできる限り迅速に回復するように努めている。そのためにいろいろなことを変えたけど、新しいやり方には満足している。ある年齢に達すると、90分間高いパフォーマンスを維持するのは難しい。だがチームが必要としているときには、最善を尽くさねばならないだろう。

――ここ数年ではどんなことを変えましたか?

スアレス 27~28歳のころはストレッチをしろと言われても「嫌だね。何でやらなきゃいけないんだ!」と一顧だにしなかったし、平気で外食もしていた。今はそういうことにずっと注意を払っている。体重を増やすのは簡単だけど減らすのは大変だからね。

アトレティコで得たモチベーション

――30歳を過ぎても高いパフォーマンスを維持するためにプレースタイルも変えましたか?

スアレス 基本的なスタイルは何も変わらない。もちろんバルセロナに入ったときには、前線で走り回るリバプールとウルグアイ代表のスタイルに慣れていたから適応が必要だった。バルサでは中央にポジションをとることを求められた。9番として自分のスペースを確保し、そこからあまり外に出ない。サイドには別の選手がいて、彼らと重ならないようにする必要があった。

 アトレティコの選手はバルサとは特徴が異なる。僕はここで自由に動けるようになった。ただ、ペナルティエリア内でトップを張る9番であることには変わりない。サイドでチャンスを作り出すチームメイトがいるから、僕がゴール前に張り続けることが大事なんだ。

――およそ取り得るすべてのタイトルをクラブで取り尽くしても、モチベーションを維持することができますか?

スアレス 比較的長い間(最後のリーグ優勝は2014年)タイトルから遠ざかり、タイトルを渇望するクラブに入ったことが第一のモチベーションだ。またCL制覇の野望(決勝進出は1974年、2014年、16年の3回)を持っているのも僕と同じだ。クラブの競争力は高く、僕のそれと見合っている。34歳になっても勝ち続けたいと思う僕の意志とも通じ合っている。

【次ページ】 ウルグアイ人とアルゼンチン人に共通するメンタリティ

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