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箱根駅伝の“中間テスト”「優勝候補は?」「どこが好調なの?」 1位は駒澤、2位は青学、では3位は……? 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byYuki Suenaga

posted2021/06/02 11:02

箱根駅伝の“中間テスト”「優勝候補は?」「どこが好調なの?」 1位は駒澤、2位は青学、では3位は……?<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

関東学生対校選手権、通称・関東インカレは、箱根駅伝と並ぶ非常に重要な大会である

 上級生では昨年箱根8区4位の佃康平(4年)が2部ハーフで7位入賞、9区6位の山野力(3年)が9位と結果を出し、2位の花尾とともに出場選手3人全員が10位以内に入る強さを見せた。2部1500mでは蓮沼直希(4年)が2位に入るなど、今大会は上位入賞者が続出。駒大は2部長距離5種目(1500m、5000m、10000m、3000m障害、ハーフ)でトップだった。

 夏合宿を経て、1年生が伸びてくると、さらに選手層は分厚くなる。大八木弘明監督は3大駅伝のエントリーとオーダーに頭を悩ませそうだが、それも嬉しい悲鳴だろう。関カレ前に部員一名が逮捕され、大会後には箱根4区11位で主力のひとりである酒井亮太(3年)が退部するなど部内が多少揺れているが、チームの総合力は大学ナンバー1。現段階の評価ではあるが、山上り区間がハマってくれば、箱根2連覇も見えてくるだろう。

2位・青学大)「抜群の安定感」と「選手層の厚さ」

 青山学院大学は、今シーズンも抜群の安定感を見せている。

 素晴らしい走りを見せたのは、男子2部ハーフで優勝した西久保遼(3年)だ。ラストスパート勝負になり、花尾(駒大)と同タイム(62分)ながら優勝。「きついレースの中、後半に粘って勝ち切ることができた。今後のいい収穫になりました」とホッとした表情を見せた。

 さらに箱根6区3位の高橋勇輝(4年)が63分11秒で10位、横田俊吾(3年)が63分16秒の11位と健闘し、ロングに強いところを見せた。横田は昨季、箱根9区にエントリーされながら当日変更で飯田貴之(4年)と入れ替わって出走できなかったが、今季はエントリーはもちろん、出走にも絡んできそうだ。

 10000mでは、箱根7区3位と好走し、次代のエース候補である近藤幸太郎(3年)が28分12秒49で6位入賞。4月の学連記録会10000mで28分10秒30の自己ベストを出し、日本選手権10000mB組では28分24秒84で5位に入った。着実にステップアップしており、夏を越えてさらにスケールアップしそうだ。同じく10000mでは箱根4区4位の佐藤一世(2年)が28分50秒56で13位ながら自己ベストを更新した。

 5000mでは、ルーキーの太田蒼生、若林宏樹、鶴川正也の“ニュー三羽烏”が出場。太田は14分07秒90で10位、若林は2000m付近で日本人トップに立つなど堂々とした走りを見せて12位(14分11秒94)。鶴川はスタート直後先頭に立つなど積極的な姿勢を見せて14分22秒91で16位だった。鈴木芽吹(駒大)ら力のある選手が多数いる中で、優勝争いには加われなかったが、1年生が3人揃って順位をまとめてきたのは、タイムだけではなく、力があることを証明したと言える。

 青学はロングに強い印象があるが、今大会ではミドルもまずまずの結果を出した。1500mでは山内健登(2年)がラスト400mでラストスパートをかけて一時はトップに立ったが、惜しくも6位入賞に終わった。3000m障害では持ちタイムトップの小原響(2年)が優勝を狙ったが、マークや暑さ、風にも苦しみ、それでも5位に入賞した。

【次ページ】 “スーパーエース”はいないが「王座奪回に向けて順調」

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